コミュニケーションを重視し個別ケアに取り組む介護付有料老人ホーム<前編>
もみの樹・杉並
敷地面積3703.91平方メートルに64部屋。利便性も高い東京都杉並区で広々とした暮らしのできる施設がある。大和ハウスライフサポート株式会社が運営する「もみの樹・杉並」だ。京王井の頭線永福町駅より約650m。商店街を歩いていくと静かに佇んでいる。
「うちはのんびりとしていますね。もちろん忙しくは働いているのですが、日々のケアには時間をかけています。自宅で過ごしているように、というのもコンセプトの一つなのでそこは大事にしています」(大和ライフサポート株式会社 執行役員・館長 鈴木利香さん、以下「」は同)
高齢者向け施設は集団生活なので、どうしても一律の対応にならざるを得ないことがある。しかし、もみの樹・杉並では入居者の意向に沿った個別ケアを行うためのプロジェクトを立ち上げた。
個別ケアへの取り組み「オンリーワンプロジェクト」
「オンリーワンプロジェクトを実施していて、『もう1回結婚式を挙げたい』『車椅子生活で諦めていたお墓参りに行きたい』『孫の結婚式に出席したい』といったご希望を叶えてきました。突発的な要望に応えるのではなく、事前に計画を立てて実施しています。車椅子で生活をされている方が、ご自宅に戻ってパソコンを前にし、生き生きとした表情が表れたという事例もあります。
また、70代のご夫婦の奥様から『ご主人と普通に電車に乗りたい』という希望がありました。それまではお元気だったのですが急な病気で、介護が必要になり、認知症が進んでしまっていたんです。こちらに移ってからは段々と元気になり、井の頭線の電車に奥様と普通に乗ってお墓参りに行けて、とても喜んでいらっしゃいました」