白川由美さんの死因もしかして…高齢者の長湯は死を招く!?お風呂で熱中症に
日本列島に大寒波が到来し、記録的な大雪を降らせたことは記憶に新しい。立春近しといえども、まだまだ、体の芯まで凍える寒さが続いている。
そんな夜は、ひととき時間を忘れ、本でも持ち込み熱いお湯に肩までつかって、長風呂を楽しみたいもの。でも、ちょっと待った! その入浴が、とんでもない事態を引き起こすかもしれない…。
平幹二朗さん、白川由美さんも浴室で
厚労省の調査によれば、入浴中の事故死の数は年間約1万9000人とされており、家庭の浴槽での溺死者数は、2014年に4866人で、65才以上の高齢者が9割を占めている。
芸能人の死亡事故も多い。昨年6月、女優の白川由美さん(享年79)が風呂場で亡くなった。10月には、俳優の平幹二朗さん(享年82)が自宅浴槽で急死している。
入浴中の死亡事故の多くは熱中症だった
これまでこういった事故の原因は、急激な気温変化で、血圧が急上昇し、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす「ヒートショック」ではないかといわれてきた。しかし、昨年11月に大阪府監察医でもある千葉科学大学の黒木尚長教授らは、「入浴中の死亡事故の多くは、熱いお湯に長時間入浴したことによる熱中症」だと発表した。黒木さんが解説する。
「42℃のお湯に入ると、10分間で体温が1℃ほど上がり、30分で3℃体温が上がります。多くの人の平熱は36℃程度ですから、体温は40℃近くまで上昇します。そのとき深部体温も同程度に上昇します。血液の温度は40℃を超えると、重症の熱中症にかかり、意識を失うと、そのままお風呂で溺れてしまうというわけです。
さらにお湯の温度に体温が近づくと、細胞が壊れ始め、壊れた細胞から、カリウムが血液に流れていく。血液中のカリウムが上がると、溺れなくても心停止を起こします」