白川由美さんの死因もしかして…高齢者の長湯は死を招く!?お風呂で熱中症に
これまでにも浴室内の死亡事故は、数多く報告されてきているが、なぜ今まで熱中症だとわからなかったのか。黒木さんが続ける。
「日本の風呂は小さく、浴槽で亡くなったほとんどの人は、溺れていないのに心停止で亡くなっています。布団の中で心筋梗塞で亡くなるかたもいるので、長い間 “ヒートショックかもしれない”と考えられていたのです。しかし、もしヒートショックであるならば、冬の露天風呂での入浴時の事故が多発するはずなのに、そうでもない。
一方で現在は、浴室内外の寒暖差に気をつけようという意識も広がり、浴室暖房も普及しているにもかかわらず、入浴中の事故は増加傾向にあります。そういった経緯もあって熱中症だとわかったのです」
浴室での熱中症は高齢者に多い
今回、浴室での熱中症は高齢者に多いことがわかった。その理由は、「老化により、温痛覚が鈍くなるから」だと黒木さんは指摘する。
「夏の熱中症対策で、お年寄りがクーラーをつけない理由は、節約ではなく、そもそも暑いと感じないからといわれていますが、お風呂でも同じことがいわれています。例えば41℃のお風呂に入ったとき、若い人は熱いと感じるし、のぼせるので長時間お湯につかっていられませんが、高齢者は熱いお湯にじっくりつかっていられますし、それを好みます。それは高齢者が、熱さに鈍感になっているから」
熱中症を防ぐには、「41℃以上のお湯に、30分以上肩までつからない」こと。
「ある銭湯では、42℃で営業していた際に、脱衣所で倒れる客が多く、救急車を呼ぶこともあったが、41℃で営業したら、倒れる客が激減したそうです。お年寄りはよく『温まりたい』と言うけれど、41℃のお湯に10分程度の入浴で済ませることがいちばん。そしてできれば1人でいるときの入浴は避けましょう」(黒木さん)
恐れずに、しかし気をつけて入浴タイムを楽しんでください。
※女性セブン2017年2月9日号
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