認知症危険なのはどっち?ボケない生活習慣をチェック
今から10年後の2025年には約700万人が認知症になるという推計を、2016年1月、厚生労働省が発表した。これは現状の約1.5倍。実に、65才以上の5人に1人が該当することになる。
世界に誇る長寿国日本だが、いつまでも元気で、イキイキと人生をまっとうするにはどうすればいいのか? 最新の研究データに基づいた認知症予防&対策を学んで、ボケない生活習慣を今日から始めましょう。
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認知症というのは、脳の神経細胞が侵され、判断能力などに障害が起こり、通常の社会生活ができなくなった状態のこと。
「発症には生活習慣とのかかわりが大きく、脳のメタボというのが現在の考え方です」
と言うのは、著書に『死ぬまで家族に迷惑をかけないために今すぐ知っておきたいボケない技術』(かんき出版)などがある神経内科医で米山医院院長の米山公啓さん(以下、「」内同)。
残念ながら、現段階で「これさえ気をつければ認知症にならない」という特効薬的方法は発見されていないが、世界中で認知症の発症リスクに関する研究が行われ、さまざまな効果が発表されている。
「認知症の中で、6割以上を占める『アルツハイマー型』は発症するまでに約20年かかるといわれています。年齢的に発症リスクが高まるのは60代。要するに、その20年前にあたる40代から、認知症予防をした方がいいんです。
認知症は、発症した本人がつらいだけでなく、それを支える家族にも大きな負担をかけるもの。愛する家族に迷惑をかけないためにも、今から認知症予防に努めましょう」
何気ない普段の行動にも認知症の疑いを示すサインは表れている。下の質問に答えて、あなたの認知症危険度をチェックしましょう。
Q1 信号が青になりました。あなたはどんなふうに横断歩道を渡る?
(A)余裕で渡りきれる
(B)急がないと渡りきれない
(B)の人のほうが、認知症リスクが高い。一般に横断歩道の信号は1m/1秒の歩行速度で渡りきれるように設定されている。普段通りの速度で渡りきれない場合、身体機能などが衰え、歩幅が狭くなっている証拠。脳のわずかな機能不全が歩幅に表れることもあるので、認知症のリスクは高いといえる。
Q2 コンビニで140円のお茶を1本買いました。あなたはどう払う?
(A)できるだけ小銭を使う
(B)お札で払い、おつりをもらう
(B)の人のほうが、認知症リスクが高い。「以前からお札で支払う習慣の人は別として、最近、買い物のたびに小銭が溜まるようになった場合は、小銭を出すのが苦手になった=脳を使わなくなった兆候の可能性が。自分はもちろん、配偶者の支払い方や財布チェックは認知症に気づくきっかけに」(米山さん)。