筋力低下や認知症予防に! 注目のシニア向けスポーツクラブサークル<後編>
前編では、スポーツクラブ「メガロス」の会員向けサークル「倶楽部100」のプログラムの内容やその効果などについてご紹介した。今回は実際にその会員の方に、シニア向けサークルの魅力や感想などを聞いてみたい。
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「メガロス武蔵小金井店」の「倶楽部100」会員の松本守弘さん(75歳)にトレーニング後、担当のインストラクター加村美沙さんにも同席いただき、話を聞いた。
> まずは倶楽部100の魅力について。
「会員同士の交流も盛んです。一緒に飲みに行くこともありますし、カラオケにも行きます。仕事をしている時はどうしても利害関係などいろいろなことを考えてしまうけど、今はそういうのは一切ないから気楽に付き合えていいですよ」(松本さん)
聞けば、松本さんは退職までスポーツクラブに通った経験はなかったという。仕事に精一杯でそこまで余裕はなかったとのこと。孫のような存在だと話す加村さんをはじめとするメガロスのインストラクターの印象についても聞いてみた。
「明るくてはつらつとしていて、いいよね。加村さんは通る声ですごくいいんです。歌手になったら?と言っているんですよ(笑い)」(松本さん)
「倶楽部100」は通常のスポーツクラブと比べても、一段とスタッフと会員の距離が近いようだ。続いて、松本さんにメガロスでのトレーニングの内容を尋ねた。
「倶楽部100でのトレーニングがほとんどです。後はプールですね。お風呂もサウナもあるので楽しんでいます。『お風呂会員』の方もいるんじゃないかな?(笑い)」(松本さん)
「メガロス武蔵小金井店」にはプールがあり、水中のアクティビティを楽しむ高齢者も多い。水中は浮力によって膝や腰への負担が少なく、安心して取り組める。運動を継続することで心肺機能の向上が期待できるという。また筋力を維持、向上させることで転倒防止にもつながる。
では、インストラクターの加村さんに、実際に転倒防止のためのスクワットトレーニングを動画で紹介してもらおう。
「今後も通ってできるだけ健康でいたいですね。運動を続けていると、日常の足取りも軽くなったような気がします。膝や腰に負担をかけない歩き方をプールで教えてくれます。正しい歩き方なんて習うまでは知らなかったですよ。
忘年会もあるし、倶楽部100の会員同士のつながりが深いです。ウォーキングのイベントもありますよ。他にもメガロスの中で開催される健康セミナーを聞いたりしています」(松本さん)
「倶楽部100」に入るきっかけは、会員からの紹介が多いとのこと。運動にあまり興味がなくとも、知り合いに誘われて始めてみたら夢中になってしまったという方も多いようだ。一人ではなかなか続かない運動も、仲間ができることによって自然に継続できているという。
松本さんのように運動経験がなくても、メガロスのインストラクターが指導してくれるので安心して通うことができる。加村さんが指導している様子を見せてもらったが、それぞれが自分に合わせて動き方やスピードを調整していた。集団ではあるが、自分のペースで運動ができるのだ。
自治体からの委託で高齢者向けの特別プログラムも
地域社会への貢献にもメガロスは力を入れている。例えば千葉県の柏店では夏にお化け屋敷イベントを子供向けに開催し、地域交流のきっかけにしている。行列ができるほどの人気を博しており、自然な交流が生まれているという。
また、各自治体から委託を受け、地域内のメガロス各店舗などで該当する市民に対して教室を開講している。対象は65歳以上で今後、生活機能低下のリスクがある人たちだ。プログラムは各自治体の仕様に準じながら、メガロス独自のアレンジが加えられているという。楽しさと継続を重視した内容になっているそうだ。
例えば、町田市で行った「筋力アップ教室」には市民18名が登録。トレーニングには看護師も立会い、事前事後に血圧測定や体調チェックを実施し、椅子に座ってできる有酸素プログラムや、マシンを使った筋トレも行なった。
高齢化社会を見据えて社員教育にも積極的で、「介護予防運動指導員」育成のために「介護予防主任運動指導員」の資格を2名が取得している。その他にも「認知症サポーター養成講座」を実施しており、資格取得を目指して「認知症サポーター養成講座」を各店舗で実施しているという。
メガロスは従来からの基盤を活かしつつ、新しい試みを次々とスタートさせている。東京都立川には日本最大級となる週500本ものプログラムを提供している店舗がある。“ACTIVE”と“RELAX ”をテーマにした新型フィットネスモールだ。
他にもパナソニックのクラウドサービスとメガロスの運動プログラムを融合させ、オンラインを活用したパーソナルトレーニングプログラムを開発している。これは、食事や自宅でのトレーニングをスマートフォンのアプリを使ってサポートしてくれるものだ。また、時間効率を最大限に発揮するトレーニング「HIITプログラム」のように最新のメソッド、機器の導入にも積極的だ。女性向け、ストレスチェックができるなど、明確なコンセプトのある店舗も増やしている。
シニア向けの施策が充実しているスポーツクラブであるメガロス。健康寿命を延ばすために運動は欠かせないし、その際、自己流ではなくインストラクターの指導を受けた方が効果は高い。そして何よりも紹介した「倶楽部100」のように、メンバーやインストラクターと一緒に運動に取り組むことによってモチベーションも維持される。ぜひ近くのメガロスに足を運んでみてほしい。見学も大歓迎とのことだ。
【データ】
メガロス武蔵小金井店
最寄駅:JR中央線「武蔵小金井駅」から徒歩6分
住所:東京都小金井市緑町5-3-24
TEL:042-380-9100
公式サイト:http://www.megalos.co.jp/musashi/
「倶楽部100」紹介ページ:http://www.megalos.co.jp/contents/goldage/club100.html
◆「倶楽部100」担当・加村美沙さんプロフィール
運動歴:新体操10年、チアダンス7年、「柔軟性には自信があります」(加村さん)
競技成績:全国高等学校ダンスドリル選手権大会フラッグ部門・Ms.SOLO部門出場
得意とするトレーニング:柔軟性向上、姿勢改善、女性らしい身体づくり、シェイプアップ
撮影/津野貴生