介護生活にハーブを!<3>健やかな眠りを助ける「お茶」
お釈迦様が悟りを開いた菩提樹とは異なる種類で、ヨーロッパでは街路樹によくみられます。緊張をほぐし、神経の高ぶりを抑えます。また、心臓の鎮静効果があるとされ、抗ストレス作用も期待されるハーブです。香りも強くなく、優しい色あいと風味が特徴です。
「ジャーマンカモミール」と「リンデンフラワー」。この二つのハーブに「ミント」を加えると、さらに胃腸を整える効果が期待できるでしょう。
ブレンドは、300ccのお湯に対して「ジャーマンカモミール」を大さじ1杯、「リンデンフラワー」を小さじ1杯、「ミント」は小さじ1/2杯が目安で、柔らかな風味となるでしょう(もし、フレッシュな「ミント」が手に入れば、葉を5枚ほど使用してください)。
ハーブティーを淹れるという行為は、ドライハーブにお湯を注いだ瞬間から癒しのひと時となるはずです。
まず、湯気と香りを鼻腔から吸い、次に、喉、胃腸へと意識しながら飲んでみてください。またこのハーブティーを脱脂綿に浸して瞼を拭くと、眠る前に眼の疲労を癒してくれますし、お肌のトラブルがある箇所に塗布しても鎮静の効果を発揮してくれます。
品質の良いメディカルハーブの浸剤(ハーブティー)は飲んで良し、塗布して良しなのです。
介護を数年間続けている友人からは「長年、睡眠導入剤に頼っていたのが、今ではハーブティーで自然に眠れるようなった」という話を聞きました。
また、ハーブティーを飲む習慣を眠る前に持つことで、心身のバランスが整うようになり、いつしかハーブティーさえもいらなくなったということです。
ハーブを単品入手し、自分でブレンドするのが難しいと感じる方には、ハーブを扱う専門店やwebショップで、安眠用に調合されたものを購入するのがオススメです。
ハーブは以下のWEBショップなどで購入できます。
どちらも単品での入手と、オリジナルブレンドティーも揃っています(ブレンドの場合はカモミールがはいったものを選びましょう)。
●生活の木
http://onlineshop.treeoflife.co.jp/
●グリーンフラスコ
http://shop.greenflask.com
●enherb
http://www.enherb.jp/
オススメは、ハーブの本場である英国のオーガニックティー(こちらはティーバッグです)。
パッカハーブス リラックス
最後に、ハーブの安眠効果を実感するためには、夕方以後のコーヒーや緑茶を避けることをお忘れなく。コーヒーや緑茶には、たくさんのカフェインが含まれています。安眠のバランスが崩れていると感じている方は、普段からカフェインの入らない飲み物に変えてみましょう。
ハーブを暮らしの中に取り入れて、心地よい介護生活を送ってくださいね。
※注:効用を期待するメディカルユースのハーブを入手する際は、ハーブが栽培されている場所、収穫から乾燥、加工までの工程で植物化学成分が劣化しないような管理下で製品化されたものを選ぶことが大切になります。なぜならハーブは植物という生きたものなので、酸化しやすく、化学成分も変化しやすいからです。
※1:「ジャーマンカモミール」はキク科の植物にアレルギーのある方には向いていません。
文・撮影/飯田裕子
飯田裕子(いいだ・ゆうこ)
1960年東京生まれ。写真家・ハーバリスト。30代の後半にストレスと過労で体調を崩すも、医療行為を受けながらハーブと出会い回復。メディカル的なハーブに興味を持ち、取材を始める。英国在住のハーバリスト、リエコ大島バークレー女史と出会い「ハーブの薬箱:文化出版」の企画、撮影に携わる。その後、日本メディカルハーブ協会のハーバルセラピストの資格を獲得。ハーブの知恵を生かすべくガーデンスタジオJP(https://www.facebook.com/gardenstudiojp/?pnref=lhc)として活動を始める。85歳になる元医師の父と母の遠距離プレ介護が始まったばかり。
<このシリーズのバックナンバーを読む>
介護生活にハーブを!<1>
介護生活にハーブを!<2>