生活リハビリに力を入れた介護付有料老人ホーム<前編>
アズハイム光が丘
西武池袋線石神井公園駅からバスで6分。最寄りのバス停で降りると目の前に「アズハイム光が丘」がある。近隣には緑豊かな石神井公園、光が丘公園のほか総合病院もあり、住宅地としても人気のエリアだ。
このアズハイム光が丘を運営する株式会社アズパートナーズは2016年11月現在、首都圏を中心に26事業所を運営しており、さらに新設する計画があるという。2005年に最初の介護付有料老人ホームをオープンし、その数を増やしながら着実に歩んできた。「施設ではなく、家(ホーム)でありたい」というキャッチフレーズを掲げて、介護付有料老人ホーム14棟、デイサービス9事業所、ショートステイ3事業所を運営している。
家(ホーム)を目指すための工夫
アズハイム光が丘は10年目を迎えるが、室内は築年数を感じさせない。聞けば壁紙、廊下に敷かれた絨毯を新しくしたばかりだという。季節柄、ハロウィンの飾り付けが至る所にあり、とても明るい雰囲気だった。
入居相談員の大友基次さんと営業企画部の川俣正人さんに施設内を案内していただきながらお話を聞いた。
「見学してくださった方からはゆったりとした作りがいいねという声をいただきます。各階にリビングダイニングがあるのも特徴です」(大友さん)
「浴室は人を下げるのではなく、浴槽が上がるタイプのものです。人を下げるとどうしても怖いんですよね。お風呂はやっぱり楽しみの一つですから、できるだけ快適にと考えています」(大友さん)
夫婦で入れる居室も用意されており、自宅と同じように過ごせるのも人気だ。
他社との様々なパートナーシップ
アズハイムは他社とのパートナーシップにも積極的だ。日比谷花壇とは「フラワー・アクティビティ・プログラム」を実施している。このプログラムは入居者がフラワーアレンジメントのレッスンを楽しむことができるものだ。
色、香り、触感など様々な感覚を刺激する花の特性や参加者同士のコミュニケーションを通じて、達成感や充実感、リラックス効果を高めることが狙い。脳の活性化に効果があることが研究、実験により確かめられており、取材中にも話し声と笑顔が絶えないにぎやかな時間だった。高齢者向けの花のアクティビティプログラムを運用する人材である「フラワーファシリテーター」になるべく、スタッフが講習を受けているという。
また、健やかな生活の提案と機能訓練サービスの質の向上のためにセントラルスポーツ株式会社ともパートナーシップを結んでいる。介護予防プログラムを取り入れた心地良い運動、リハビリテーションを通じて入居者の生活の質を高めているのだ。
オリジナル健康イス体操「チェアアクティブ」はアズハイムの全施設で提供されているもの。イスに座ったままで行うため、ひざや腰に不安がある方でも負担をかけずに、音楽に合わせながら、足腰の筋力を中心にバランスよく全身運動をすることができる。
常勤の機能訓練指導員がリハビリを担当
アズハイムはリハビリにも力を入れており、柔道整復師の資格を持っている機能訓練指導員の佐藤正男さんが常勤で入居者のリハビリにあたっている。個別機能訓練で予定表はびっしりだという。
「生活リハビリにも力を入れています。車椅子の方にも食後に廊下を自走していただいたり、歩ける方は廊下を歩くなど自主トレーニングをしてもらっています」(佐藤さん)
スタッフが介助をしたほうが早くて効率的なことも多いが、生活リハビリを重視するために残っている能力を使ってもらっているのだという。
「何でもかんでもする介護ではなく、介助の際に手をつける方には手をついてもらったり、その方の残存能力を活かすようにしています。自分でできることは自分でしていただくことが重要なんです」(佐藤さん)
「2.5対1以上という行政基準よりも手厚い人員配置によって、生活リハビリに取り組む余裕が生まれています。例えば、少し時間をかけてでも、車椅子に乗った際に足を載せるフットレストの上げ下げをご自身でやっていただくとか。こういったことの積み重ねが、リハビリとして効果を出していくんです」(川俣さん)
適切な生活リハビリができるのも、専門の資格を持った機能訓練指導員が常勤配置されているからだ。常に入居者の様子を見ていることで、より充実したリハビリ環境を作っていける。
スタッフの働く環境にも配慮
しかし、手厚い体制を用意することで、スタッフに過剰な負担がかからないのだろうか? 介護職の難しさとして、仕事の辛さを挙げるケースも多いが…。
「別にサービススタッフを置いて、介護スタッフが介護に専念できるようにしているんです。サービススタッフは、清掃やベッドメイキングや車の運転など間接的に介護に携わっています」(大友さん)
また、ピークタイムにパートタイマーのスタッフを入れて負担軽減を図っているという。定着率も高く、勤続年数を重ねているスタッフが増えているそうだ。また、社内のサークル活動も活発でホームを超えての交流もあり、社員全員がいきいきとしている。実際に施設を判断する際、サービススタッフの人数は公表数字には出てこないものだが、見逃せないポイントの一つだろう。
* * *
後編では日比谷花壇とのパートナーシップで行っている「フラワー・アクティビティ・プログラム」の詳細とホーム長の北村将高さんの想いを紹介していく。
【データ】
施設名:アズハイム光が丘
公式WEBサイト:http://as-heim.com/hikarigaoka/
所在地:東京都練馬区谷原4-3-23
最寄駅: 西武池袋線「石神井公園」駅徒歩約19分、駅北口より西武バス「成増町」行「谷原中学校」下車徒歩1分
類型:介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
運営主体:株式会社アズパートナ―ズ
敷地面積:2868.46平方メートル
延床面積:3693.14平方メートル
居室数:83室
定員:89名
入居要件:65歳以上の自立・要支援・要介護者
構造:鉄筋コンクリート造 地上3階建(耐火構造)
開設年月日:2006年5月
料金:Aタイプ(18.20平方メートル 1人入居)の場合──
・プランA/入居一時金(非課税・返還制度有)0円、月額利用料34万5000円
・プランB/入居一時金(非課税・返還制度有)780万円、月額利用料21万5000円
・プランC/入居一時金(非課税・返還制度有)1110万円、月額利用料16万円
月額利用料内訳:家賃、管理費、水光熱費、食費
撮影/津野貴生