眼科医が教える【目の健康】を守るために毎日続けたい正しいケア14選「コーヒーは1日3杯まで」
「水泳など、適度な有酸素運動には眼圧を下げる効果があるので緑内障の予防にも効果的。おすすめはウオーキング。週に3回、1日30分を目安にがんばりましょう」(平松さん・以下同)。裏読みトレーニングやピント合わせのトレーニングと併せて行えばより効果的。
視力回復ウオーキング
ウオーキングのポイントは次の4つ。【1】少し息が上がるくらいの早歩き(疲れたら休んでOK)。【2】背筋を伸ばし、視線は足元ではなく正面に向け、なるべく遠くを見る。【3】飽きないように複数のウオーキングコースを用意する。【4】動植物や建造物など、見たいものがあれば立ち止まり、ピントを合わせてゆっくり見る。
裏読みトレーニング
近視の眼鏡、老眼鏡、コンタクトレンズなどを使用している人は、いつものようにつけた状態で行う。レシートや片面印刷の書類などを裏返しにして、書かれている文字や数字を透かして読む。両目だけでなく、片目でもチャレンジ。見えにくいときは裏から光を当て、よりはっきり透かして見てもOK。疲れたらやめる。
ピント合わせのトレーニング
【1】片手にペンを持ち、その先を目から30cmほど離してピントを合わせる。
【2】ペン先から視線を外して2m以上先にある目標物にピントを合わせる。
【3】【1】と【2】を交互に10回繰り返すのを1セットとし、これを1日に数セット行う。
【日常ケア6】6~9時間は眠る習慣を
新しい細胞が生まれて古い細胞がはがれ落ちるターンオーバーは、目でも行われており、そのために重要なのが睡眠だ。「直接、光が目に入らないような環境で9時間ほど眠れると理想的。最低でも6時間は睡眠をとりましょう。眼圧が上がるうつぶせ寝は避け、仰向けで眠るようにしましょう」
【日常ケア7】1回の摂取量は200mlを目安に。水分をゆっくり摂取する
目が乾燥して涙の分泌量が減ると、防御機能が落ちるので、水分補給は大切。「一気に飲むと眼圧が上がるので、少しずつゆっくり飲むこと。おすすめは1杯200mlの水を1~2時間おきに飲むことです(1日6~8回が目安)。のどの渇きを感じたらかなり脱水した状態なので、そうなる前に補給を」。
【日常ケア8】深呼吸をして自律神経を整えることが大事
「瞳孔の開閉やピント調節などを行う自律神経が乱れないよう、整えることが大切。おすすめは深呼吸。【1】口を閉じて鼻から息を吸う。何秒で吸ったかをカウント。【2】口をすぼめてゆっくりと息を吐く。吸ったときの倍の秒数で吐き出す。【1】【2】を何回か繰り返すのがおすすめです」
【日常ケア9】腸内環境を整える
「近年、腸内環境が乱れると目の状態も悪くなることがわかってきました。加齢黄斑変性などの発症率も高まるといいます」
【日常ケア10】目をこすったりかいたりしない。目には刺激を与えないこと
「目をかいたり、こすったりするのは絶対にやめてください。目はとても繊細でもろい組織。ちょっとした刺激でもダメージとなって、網膜剝離や白内障などを発症してしまうことがあります」。アレルギーによるかゆみには専用の点眼液などで対処を。眼球を押したりもんだりするマッサージもNG。
【日常ケア11】自己判断による眼帯装着はNG
「目の保護のために眼帯をする人がいますが、何日も眼帯をして過ごした結果、視力が極端に落ちてしまったケースも」
【日常ケア12】頻繁に目を洗わない
「市販の洗眼液などで目を洗うとスッキリしますが、水分や油分などを含む涙まで洗い流されてしまうので、頻繁には洗わない方がいいでしょう。目のバリア機能が落ちてしまいます」。洗眼用のカップに細菌が繁殖することもあるので、衛生面にも注意を。洗眼はゴミが入ったときくらいで充分だ。
【日常ケア13】コーヒーは1日3杯までに
「カフェインを摂りすぎると眼圧が上がりやすくなる。1日3杯以上飲むと緑内障のリスクが上がるという報告もあります」
【日常ケア14】生活習慣病に注意する。糖尿病が目にもダメージを
「高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、血管や神経にダメージを与えるため、目の血管障害の発症リスクを高めます。ですから、生活習慣病を予防することも大切です」。糖尿病の合併症には糖尿病網膜症がある。網膜の毛細血管が詰まる病気で、網膜剝離を引き起こし、失明に至ることも
今年も記録的な猛暑と容赦なく降り注ぐ強烈な紫外線への警戒が必要だ。紫外線だけでなく、日々のちょっとした習慣が目の健康を大きく左右すると眼科医は指摘する。未来の視力を守るための正しいケア方法を分かりやすく解説する。
教えてくれた人
平松類さん/眼科専門医・二本松眼科病院副院長。わかりやすく医療情報を提供するYouTubeチャンネル「眼科医平松類」の登録者数は33万人以上。『眼科専門医が教える! 目をよくする最強の食べ物図鑑』(山と渓谷社)など著書多数
食事と運動、睡眠が目の健康に欠かせない
目の健康を保つには、紫外線対策だけでなく、日課にするとよいケアがある。
「まず大切なことは、目の健康に効果的な栄養素を摂ること。なかでもカロテノイドの一種『ルテイン』は目に優先的に届く栄養素。“天然のサングラス”と呼ばれ、白内障や加齢黄斑変性の予防効果が期待されています。特に加齢黄斑変性は、近年日本人に増えている病気で、失明原因のひとつ。脂っこい食べ物の摂りすぎなどが悪影響を及ぼすので、ビタミンやカロテノイドを含む食材をバランスよく摂りましょう」(眼科専門医の平松類さん)
運動と休養も大切だ。
「6時間は眠ること。目に疲れを感じたら温めるのもおすすめ。目は無防備な状態ですが、唯一守っているものに涙があります。涙の質は油分が分泌されないと低下するので、マッサージで分泌を促しましょう」
一年中続けたい!100才まで元気な目のための日常ケア14選
加齢や生活習慣の影響を受けやすい目だからこそ、日常的なケアが重要。すぐにできる簡単なことから始めてみよう!
【日常ケア1】目をいたわる栄養素を摂る
「ルテイン、アスタキサンチンなどのカロテノイドには強い抗酸化作用があるので、紫外線の強い夏には特に多く摂るように心がけてください」(平松さん・以下同)。DHA・EPAには涙の質をよくする効果もあるので、こちらもぜひ。
目の健康に必須な4つの栄養素とは?
ルテイン
紫外線を吸収して活性酸素を除去。加齢黄斑変性や白内障を予防。ほうれん草やブロッコリーなどに含まれる。
アスタキサンチン
高い抗酸化作用があり、血流を改善して免疫力を高める。鮭やえび、かに、いくら、筋子などに多く含まれる。
β-カロテン
ビタミンAに変換されて目の不調全般に効果的。かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれる。
DHA・EPA
不飽和脂肪酸の一種で、血流改善効果が。多く含む食材にはいわしやさば、まぐろ、ぶり、さんまなどがある。
ブロッコリーやほうれん草を食べて!まだある「目によい栄養素」
ビタミンA(免疫力を高め、目や粘膜を健康に保つ)
<多く含む食材>
レバー、うなぎ、あなごなど
ビタミンC(血管や粘膜、骨、筋肉などを丈夫にする)
<多く含む食材>
キウイフルーツ、ブロッコリーなど
ビタミンE(活性酸素を除去し、動脈硬化などを予防)
<多く含む食材>
うなぎ、アーモンド、かぼちゃなど
ビタミンB1(糖質の代謝を助ける。疲労回復効果も)
<多く含む食材>
豚肉、うなぎ、ぶり、たらこなど
ビタミンB2(エネルギー代謝や脂質代謝を助ける)
<多く含む食材>
豚レバー、きのこ類、卵、納豆など
ビタミンB6(アミノ酸代謝、神経伝達物質合成に関与)
<多く含む食材>
牛レバー、ささみ、まぐろ、さんまなど
アントシアニン(毛細血管を保護して血行を改善)
<多く含む食材>
カシス、ブルーベリー、なすなど
リコピン(カロテノイドの一種。がん予防にも)
<多く含む食材>
トマト、すいか、柿など
タウリン(アミノ酸の一種。抗酸化作用、疲労回復)
<多く含む食材>
いか、たこ、えび、かき、ほたてなど
【日常ケア2】疲れ目は冷やすより温めて!目の周りは温めてケア
「目が炎症を起こしてかゆいときや、目をぶつけたりして腫れたときなどは冷やした方がよいのですが、疲れ目に関しては、蒸しタオルなどで温めるのがベター。血流がよくなって、疲れも回復します」
「ホットアイ」のやり方
【1】ホットタオルを2枚用意
2枚のタオルを濡らして軽く絞り、電子レンジ(600W)で40秒温める。熱すぎるときは少し冷ます。
【2】仰向けに寝てまぶたの上にタオルをのせる
仰向けになって目を閉じたら、まぶたの上に1枚目のタオルをのせる。冷たくなったらもう1枚のタオルと交換。2枚のタオルで5分ほど温める。これを1日2回の目安で行う。
「パームアイ」のやり方
【1】手を温める
手のひらが温かくなるまで両手をこすり合わせる。20~30回が目安。
【2】目の上に手をのせる
温まった手のひらを丸いカップ状にし、目を覆うようにして20~30秒温める。このとき、手のひらが目に触れないようにすること(まぶたを押さえつけない)。2~3回続けて行ってもOK。
【日常ケア3】乾燥予防に油出しマッサージ
まぶたの外側の際(きわ)をマッサージ
両目は閉じる。両手の人さし指で、まぶたの外側の際を上から下に向けて10回やさしくなでる。同様に下から上へ10回行う。
目頭から目尻へマッサージ
両目は閉じる。両手の人さし指の腹で、左右の上まぶたを目頭から目尻に向かって10回やさしくなでる。下まぶたも同様に行う。
上下のまぶたをつまみ上げる
両目は閉じる。両手の親指と人さし指で左右の上まぶたを少しだけつまむようにして刺激を与える。下まぶたも同様に。上下10回ずつ行う。
【日常ケア4】目薬は涙に近い成分を。点眼後にまばたきするのはNG!
「有効成分が多く入った目薬は必要ありません。液剤に有効成分は入れにくく、入っていたとしても微量だからです。涙に近い成分で防腐剤無添加のものがおすすめ」。点眼後はまばたきをしないこと。目薬の成分が流れてしまうからだ。目を閉じて目頭を約1分指で押さえるのが◎。
