《40代から遺言書を用意》LiLiCoが語る終活と生き方 「明日死んだら何も残らない」お金は周りをハッピーにするために使う ウガンダとネパールに学校建設
「いつ死ぬかわからないから、今を全力で楽しむ」。2026年5月29日公開の映画『お終活3 幸春! 人生メモリーズ』に出演する映画コメンテーターのLiLiCo(55歳)は、すでに自身の遺言書を用意し、お葬式のプランまで決めているという。スウェーデン人である母親の「4行の遺言」から学んだこと、物を持たない身軽な生き方、そして途上国への学校建設を通じた社会貢献など、LiLiCo流の終活術を聞いた。【全3回の第3回】
トラブルから学んだ「自分のものは自分で決める」大切さ
映画『お終活3 幸春! 人生メモリーズ』では、人生の終盤に向けた準備である「終活」がテーマとなっているが、LiLiCo自身はすでに遺言書を作成しているという。その背景には、数々の終活映画からの影響や、自身の母親の存在があった。
「もともとよく考えるタイプなんですけど、『エンディングノート』のような終活をテーマにした映画が立て続けに5本ぐらい公開された時期があったんです。その影響を受けて、私もいつ死ぬかわからないと思い、40代の頃から遺言書を書き始めました。
実は私の母親も、いつも『遺言はもう書いてるから』と言っていたんです。子供の頃は母親が死ぬということが怖かったんですけど、母は『スウェーデンで死んだら、フライパンで私を焼いて、その骨を日本に送ってくれ』と言っていて(笑い)。子供だから火葬場があるなんて知らないし、『フライパンでどうやって焼くんだよ!』って本気で思っていました。
母が残した遺言は、たったの4行でした。それが何よりも分かりやすかった。『弟にはこれ』『LiLiCoにはこれ』…と、ただそれだけ。お葬式も密葬で、この人たちしか来ちゃいけないと、親友と家族だけを指定していたので、8人ぐらいしかいませんでした。
その頃、ちょうど私の周りで遺産トラブルがいっぱいあったんです。私の友達が、結託したきょうだい2人にのけ者にされたいう話や、きょうだいでお金を取り合ったという話も聞きました。残された人たちは大変だなと思って、ちゃんとしなきゃいけないと痛感しました。
考えが変わるたび、遺言書は書き換えていますよ。白紙にするときもあります。占い師に『長生きしますよ』と笑われたこともあるので、今すぐは必要ないかもしれないですけど、やっぱり100年後は私はいないわけですからね」(LiLiCo・以下同)
お葬式はドンペリで乾杯を! 残される人への負担を減らす「物じまい」
映画の中でも、相続や物の整理に関するシーンが描かれているが、LiLiCoが遺言の中で一番伝えたいことも、まさに残された物の行方だという。
「私のものをどうするかは、遺言書に盛り込んでいます。私には子供がいないので、誰に譲るかはそのときどきで変わります。弟に全部あげようかなと思ったけど、全然いい子じゃないときがあるから姪っ子にしようとか。でも姪っ子は最近しゃべってくれないから、じゃあ夫のほうの甥っ子たちにあげようとか、こまめに遺言を書き換えています(笑い)。
私は可愛い洋服や飾り物がいっぱいあるので、そういうのは友達にあげようかなと思っています。売るのではなくてね。使ってほしいじゃないですか。逆に、夫にはレゴとかフィギュアのコレクションがあって、トランクルームを3つぐらい借りているんです。いつも『俺が死んだら売っていいんだよ』と言われるので、『すぐ売るわよ! むしろ生きているうちに売りたいわ』と言い返しています(笑い)。
それから、自分のお葬式の準備もしています。ドンペリを用意して、みんなにパーティーをしてもらいたい。死装束も決めています。私、すっごくメイクが濃いじゃないですか。もしスッピンで棺に入っていたら、きっと誰だかわからない(笑い)。だから『いつもと同じメイクにしてほしい』ということも遺言に書いています。
ドキュメンタリー番組で、甲本ヒロトさんが『死んだことはどうでもいいんだよ。生きてたのが大事なんだよ』とおっしゃっていた言葉がすごく印象的で。みんな死ぬわけだから、生きているうちに『あいつ、楽しいやつだったな』と思ってもらえるのが一番ですね。ちなみに、今回の映画では私、ほとんどスッピンなんです。珍しいLiLiCoが見られますよ(笑い)」
ウガンダとネパールに学校を建設した理由
死をネガティブなものとしてではなく、生を輝かせるためのプロセスとして前向きに捉える。そのスタンスは、彼女の現在の生き方や社会貢献活動にもつながっている。『お終活3』が伝える「今をどう生きるか」というメッセージとも重なる部分だ。
「最近気づいたんですけど、ハッピーな人って死のことや老後のことをよく考えるんです。きっと、今が幸せだから終わりもちゃんとしよう、と思えるんですよ。
私は20代前半、車の中で5年間生活をするほど貧乏だったので、通帳の中のお金が増えていくのが楽しくて仕方がなかったんです。でもある日、『明日死んだら何にも残らないな』と思って。私には子供はできなかったけど、去年ウガンダとネパールに学校を建てたので、今3000人ぐらいの子供たちが私に会いたいと思ってくれているんです。
ネパールは首都から車で13時間ほど離れていた場所だったため、機材を運ぶのにお金がかかったのですが、ウガンダは都会なのと物価が安かったので、余ったお金で机まで用意できたと、支援団体の方がおっしゃっていました。みんな笑顔で勉強してくれています。そこの小学校のお母さんが、学校ができたあとに生まれた赤ちゃんに『リリコ』という名前を付けてくれたんです。ウガンダにリリコがいるんだと思うと、本当にうれしいですね。
今は必死に働いて、もっと学校を建てたいと思っていますし、ゆくゆくは老人ホームのような施設のスポンサーにもなりたいと考えています。お金持ちになりたいわけじゃないけれど、今日ステーキを食べたいと思ったら食べられるくらいの生活をしながら、周りをハッピーにしていきたいですね」
◆タレント、映画コメンテーター・LiLiCo
りりこ/1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、1989年に芸能界デビュー。映画コメンテーターとして『王様のブランチ』(TBS系)などにレギュラー出演するほか、俳優、声優、歌手など多方面で活躍。夫は純烈の元メンバーで俳優の小田井涼平。映画『お終活3 幸春! 人生メモリーズ』では、千賀子(高畑淳子)のコーラス仲間として出演。
撮影/小山志麻 取材・文/小山内麗香
