【骨粗しょう症】毎日の食事でできる対策法とドクター考案の「強骨みそ汁」の作り方|骨リスクチェックリスト付き
60代女性の3人に1人、70代では2人に1人が骨粗しょう症だという。放っておくと骨がもろくなり、くしゃみや些細なことで骨折し、寝たきりリスクが一気に高くなる。でも、大丈夫。骨を丈夫にする食習慣を身につけて、100才まで自分の足で歩き続けよう!
教えてくれた人
中村光伸さん/整形外科医、「光伸メディカルクリニック」院長。整形外科医の立場から骨を強くするための運動、生活習慣などを発信。著書に『医者が考案した 骨粗しょう症を防ぐ 1分骨たたき』(アスコム)
大友通明さん/栄養整形外科医、「大友外科整形外科」院長。整形外科に栄養療法を取り入れる。著書に『栄養整形外科医の 一生折れない骨をつくる「強骨みそ汁」』(青春出版社)
矢吹有里さん/整形外科医、女性のための整形外科「ゆりクリニック」院長。閉経後の女性たちの強い骨を作る「骨美容」をメディアで提唱。
閉経後の女性は要注意。骨がもろくなる理由
「高齢者にとっては“がん”よりも、“骨折”の方が恐ろしい」と言うのは、整形外科医の中村光伸さん。
「がんは早期に発見し、適切な治療を受ければ治る可能性があります。ですが骨折は、状況によっては完治するのが難しく、そのまま寝たきりになるケースも少なくありません。
骨がもろくなるとつまずいたり、転んだだけで簡単に骨が折れるようになるため、骨折を繰り返す高齢者のかたが後を絶ちません」(中村さん・以下同)
特に、女性は注意が必要だという。
「人間は、古い骨を溶かして壊す『骨吸収』と、新しい骨を作る『骨形成』を繰り返し、折れにくい強い骨を作っています。ところが、加齢によって骨を形成するスピードが落ちてくると、新しい骨が作られないまま、骨が壊されていく状態になるのです。
特に閉経後は女性ホルモンの減少により、骨を壊すスピードが加速。どんどん骨がもろくなり、骨粗しょう症の発症リスクが高まります」
さらに運動不足も骨の代謝を悪化させる原因になる。「体を動かさないと筋力も落ちて転倒しやすくなり、骨折につながります」
栄養不足や糖質の摂りすぎも要注意
栄養不足も骨をもろくする原因に。栄養整形外科医の大友通明さんが説明する。
「たばこやお酒もリスク因子ですが、栄養不足も深刻です。骨を作るためにはカルシウムだけでなく、マグネシウムやたんぱく質も必要ですが、血液検査をすると、ほとんどの女性が栄養の足りていない状態です。まだ春先はいいのですが、夏になると夏バテで食欲が落ち、栄養が体に充分に行き届かず骨密度が下がってしまいます」(大友さん・以下同)
また、糖質の摂りすぎにも注意が必要だ。
「高血糖の状態が続き、余った糖とたんぱく質が結びつき、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を作り、骨に悪影響をもたらします。AGEsにより骨が黄褐色に変色し、もろくなった高齢者のかたも多いです。骨の老化は自覚症状のないまま進むため、すぐにでも骨を老化させない工夫が必要です」
いつまでも強い骨を保つためには「まずは、自分の骨の状態を知ること」と、整形外科医の矢吹有里さんが続ける。
「整形外科や婦人科などで骨密度検査は受けられます。20代のピーク時を100%として、80%以下で骨量減少、70%未満で骨粗しょう症と診断されます。骨粗しょう症と診断されたら治療は待ったなしですが、骨量減少は生活習慣を見直し、骨を強化する習慣を取り入れることで改善できます」(矢吹さん・以下同)
仮に骨粗しょう症と診断されたとしても、適切な治療を受ければ、寝たきりリスクを防ぐことはできる。
「最近は、骨密度を上げて骨折を予防するなど、さまざまな種類の薬が出ています。骨密度検査はすべて保険適用なので、安心して受けられます」
骨がもろくなって慌てないよう、骨を強くし、丈夫に保つ習慣を始めよう。
食事&生活習慣から分かる!「あなたの骨リスクチェック」
下の項目に1つでもチェックがあれば、骨が弱くなっている可能性が。医療機関で骨密度検査をするとともに、いまの食&生活習慣を見直し、骨を守る生活を始めよう。
□インスタント食品をよく食べる
□たばこを吸う、お酒をよく飲む
□年齢が50才以上だ
□閉経を迎えた
□運動する習慣がない
□家にいることが多い
□足腰が痛い
□疲れやすくなった
□猫背になったと感じる
たんぱく質と併せてビタミンC、鉄の摂取を
「骨を作る上で欠かせないのは、たんぱく質」と大友さんは言う。
「たんぱく質は私たちの体のほとんどの部分にかかわっており、骨の材料にもなります。1日に必要なたんぱく質は体重1kgあたり、約1〜1.5gとされ、体重が50kgの人なら75g必要です。卵1個(Mサイズ)で約6g、牛肉なら約100gが約20gなので、朝、昼、夕食にまんべんなくたんぱく質を摂る必要があります」(大友さん・以下同)
また、たんぱく質と併せて摂りたいのが、ビタミンCや鉄だ。
「カルシウムは骨を強くする上で不可欠な栄養ですが、加えて、骨や筋肉を作るコラーゲンの合成にはたんぱく質のほか、ビタミンCと鉄が必要です。ビタミンCはほうれん草、ブロッコリー、さつまいもに、鉄は赤身肉、レバー、いわし、かつおなど肉や魚に多く含まれています。
これらを効率よく摂れるのがみそ汁。私が考案した『強骨みそ汁』には、たんぱく質、カルシウム、ビタミン類が豊富です。併せて卵、納豆、牛乳をとれば、さらに骨が丈夫になります」
骨に必要な栄養を補充!Dr.大友の「強骨みそ汁」の作り方
<材料>※4人分
さば缶1缶、乾燥わかめ小さじ1、さつまいも1/2本、長ねぎ1/2本、水3カップ、塩こうじ小さじ1、みそ大さじ2。
<作り方>
【1】わかめは、水で戻しておく。
【2】さつまいもは一口大に、長ねぎは厚めの大口切りにする。
【3】鍋に水とさば缶、切ったさつまいも、長ねぎを入れ、さつまいもが軟らかくなるまで煮る。
【4】火を止めて、みそと塩こうじを入れ、最後にわかめを加えてひと煮立ちさせる。
たんぱく質などを意識した骨を強くする食事例
骨の専門家に骨を強くするための食事法を直撃。食事や間食に分けて摂るべきものを教えます!
