高齢者に降圧薬は必要ない?「死亡・脳卒中・入院リスクに影響なし」との論文結果も <副作用に要注意!75才以上に慎重な投与を必要とする「降圧剤」リスト付き>
日本医師会の『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き』の「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」をもとに本誌作成。
※薬/分類/代表的な商品名/代表的な一般名/主な副作用/使用法
【1】利尿薬/ループ利尿薬
<代表的な商品名>
ラシックスなど
<代表的な一般名>
フロセミドなど
<主な副作用>
腎機能低下、起立性低血圧、転倒、脱力感などの電解質異常
<使用法>
必要最小限の使用にとどめ、循環血漿量の減少が疑われる場合、中止または減量を考慮する
【2】利尿薬/アルドステロン拮抗薬
<代表的な商品名>
アルダクトンA、セララなど
<代表的な一般名>
スピロノラクトン、エプレレノン
<主な副作用>
重症化すると不整脈を引き起こす高カリウム血症
<使用法>
適宜、電解質・腎機能のモニタリングを行なう。特にカリウム高値、腎機能低下の症例では少量の使用にとどめる
【3】β遮断薬/非選択的β遮断薬
<代表的な商品名>
インデラル、ミケランなど
<代表的な一般名>
プロプラノロール、カルテオロール
<主な副作用>
気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者の呼吸器疾患の悪化、喘息発作
<使用法>
気管支喘息やCOPDでは選択的β遮断薬に限るが、その場合でも適応自体を慎重に検討する
【4】α遮断薬/非選択的α1遮断薬
<代表的な商品名>
バソメット、ミニプレス、エブランチル、カルデナリンなど
<代表的な一般名>
テラゾシン、プラゾシン、ウラピジル、ドキサゾシンなど
<主な副作用>
起立性低血圧、転倒
<使用法>
可能な限り使用を控える。そのほかの降圧剤に代替する
写真/PIXTA
※週刊ポスト2025年6月27日・7月4日号
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