高齢者施設の<レクリエーション>に関する調査「散歩やピクニックなど外出レクが人気に」
デイサービスや有料老人ホームといった介護施設で行われているレクリエーション。折り紙やクイズ、体操など内容は様々だ。30~60代の男女333名を対象に「自分がもし高齢者施設に入居した場合どんなレクリエーションをしたいか?」という興味深いアンケート調査が行われた。どんな結果になったのか早速見てみよう。
身体機能を向上させ、脳の活性化を促すレクリエーション
高齢化が進行し、2025年には75才以上の後期高齢者が2000万人を超えると推定されている。日常的な生活支援に加えて、医療・介護といったニーズが増えていく中で、注目が集まっているのが認知能力を刺激し、運動不足を解消するレクリエーションだ。レクリエーションは、デイサービスなどの介護施設だけでなく、地域のコミュニティセンターでも開催しており、初めて参加する高齢者でも楽しめる内容となっている。
健康づくりに役立つレクリエーションを、30~60代はどのような思いで参加したいと考えているのか。医師向けメディア「ONE DOCTOR」を運営するシミックソリューションズとアンケート調査などデジタルマーケティングに強みがあるクーミルが、好きなレクリエーションや希望の実施回数についてアンケートを実施。アンケート結果から判明した高齢者のレクリエーション活動事情を紹介する。
健康促進よりも社交的な交流を求めて参加している人も
アンケートは、年齢別では30代が32人、40代が100人、50代が123人、60代以上が78名。男女で合計333人が参加した。
<質問1>高齢者施設に入居したら、レクリエーションに参加したいと思いますか?
【1】とてもある:97名
【2】ある:87名
【3】どちらでもない:69名
【4】あまりない:46名
【5】全くない:34名
<質問2>高齢者がレクリエーション活動に参加することで、どのようなポジティブな効果があると思いますか?
【1】社交的な交流ができること:121名
【2】ストレスの軽減やリラックス効果があること:87名
【3】身体的な活動や運動による健康促進効果があること:56名
【4】認知能力や脳の活性化につながること:43名
【5】学びや新しい知識を得ること:41名
【6】楽しい時間を過ごすこと:52名
【7】その他:7名
【その他の内容】
●寂しさの軽減。
●自分の存在価値の証明。
●家族へ楽しんでる姿を見せて、安心させる。
<質問3>レクリエーション活動でやりたいもの・好きなものは何ですか?
【1】ゲーム(トランプ、ビンゴ、パズルなど):43名
【2】手工芸やアート(絵画、陶芸、手芸など):29名
【3】音楽や歌唱活動:78名
【4】踊りやエクササイズ:117名
【5】読書や文学のクラブ活動:89名
【6】料理やお菓子作り:66名
【7】自然や外出活動(散歩、ピクニックなど):121名
【8】その他:7名
【その他と回答した内容】
●若い人と交流するのが楽しい。
●筋トレが楽しい。
<質問4>レクリエーション活動の頻度はどのくらいが理想ですか?
【1】週1回:64名
【2】週2~3回:79名
【3】週4~5回:33名
【4】毎日:101名
【5】不定期で問題ない:56名
<質問5>レクリエーション活動の場所で好きなものは何ですか?
【1】高齢者施設内の専用スペース:31名
【2】公園や庭園:9名
【3】屋内公共施設(図書館、美術館、コミュニティセンターなど):68名
【4】イベント会場(コンサートホール、シアターなど):45名
【5】屋外レジャースポット(海辺、山岳地帯など):78名
【6】自宅や自分の部屋などからのオンライン参加:7名
【7】その他(自由回答):13名
【その他と回答した内容】
●特に場所で好きなどはない。
●どこでも良い。
●誰がいるかが大事。
<質問6>レクリエーション活動で一緒に参加できる人を選ぶ際、何を基準にしますか?
【1】同じ趣味や興味を持つ人:54名
【2】同年代の人:65名
【3】異年齢の人:44名
【4】性別や性別関連の要素:12名
【5】同じ施設やグループの仲間:99名
【6】ファミリーや友人と一緒に参加:18名
【7】どんな人とも一緒に参加できる:41名
<質問7>レクリエーション活動での満足度を高めるために、どのような要素が重要だと思いますか?
【1】参加者の意見や希望を反映したプログラム設計75名
【2】参加費用の補助:110名
【3】バリアフリー設計など快適な施設設備環境:67名
【4】参加者同士のコミュニケーションや交流の促進:116名
【5】医師や看護師などの医療スタッフのサポート(常駐):65名
【6】その他(自由回答):34名
【その他と回答した内容】
●初めての人でも参加できる仕組みが大切。
●コミュニケーションが苦手な人へのサポート。
●色々なレクリエーションを行い、好きなものだけ参加できる。
●参加できなかった人でもレクリエーション以外で交流する機会を作ること。
生きがいや社会とのつながりが健康寿命をのばす
レクリエーションは身体機能の低下を防ぎ、社会とつながる機会を作り出す現代社会に欠かせない活動の1つとなっている。他の人と一緒に自分の好きなことや興味があることを行うことで、生活の質を向上させるだけでなく、健康寿命をのばすことにもつながるだろう。
【データ】
医師の新しい活躍の場を応援するメディア「ONE DOCTOR」
https://one-doctor-cmic.com/
※クーミルの発表したプレスリリース(2024年8月30日)を元に記事を作成。
図表/クーミル提供 構成・文/松藤浩一
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