子どもをもたない夫婦<おふたりさま>が抱える老後の7つの課題と準備|終活の専門家が綴る指南書
人生の選択は人それぞれであり、結婚する、子どもをもつことが当たり前の時代ではなくなっている。子どもをもたない「おふたりさま※」というかたちを選択した方も珍しくない。おふたりさまを選択した理由や背景は、夫婦によってそれぞれだが、子どもを持つ家族同様、おふたりさまだけが抱える「老後の課題」もあるという。終活の専門家である松尾拓也さんの著書『「おふたりさまの老後」は準備が10』』から、おふたりさまが抱える課題や解決策について紹介する。
※「おふたりさま」とは?
本書では、ひとりで人生を過ごす「おひとりさま」に対して、お子さんのいないご夫婦を「おふたりさま」としている。
増えつつある「おふたりさま」老後の情報は意外と少ない?
2021年6月に実施された「第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)」によると子どもの数が0人の夫婦は7.7%と、1977年に調査を開始して以来、夫婦だけの世帯が少しずつだが増加傾向にある。
孤独死などが社会問題となっているため、おひとりさまと呼ばれる単身高齢者の老後に関する情報は意外と多いが、おふたりさまはいつも隣に配偶者がおり、ついつい安心したまま年を重ねてしまいがちだからか、まとまった情報は少ない。そのため、多くのおふたりさまは自分たちが老後を迎えるまで直面する課題に気づいていないのだ。
「おふたりさま」が直面しやすい問題とは?
「おふたりさま」を選択した夫婦は共働き世帯が多く、経済的な豊かさ。趣味や遊びを楽しめる。など、メリットも多くありますが、「相続と遺言」「身元保証人」「認知症対策」「老後の暮らし」「葬儀とお墓」など、取り組まなければならない老後の課題も山積しているという問題も。
「おふたりさまが直面する老後の課題」トップ7
【1】どちらかが介護状態になったらどうする?
【2】配偶者に先立たれて、ひとりになってしまったらどうする?
【3】身元保証してくれる人がいなくなったら、入院や施設入居はどうする?
【4】認知症になってしまったらどうする?
【5】継承者がいないけど、お墓はどうする?
【6】高齢者施設って、どんなものがある?
【7】自分が死んだあとの手続きや処理は、誰にお願いすればいい?
おふたりさまも、いつかはおひとりさまになる。老後の問題に対する解決策は、「自分たちで知識をつけ、準備をしておく」ことが一番の近道だ。
本書には自分の財産を見える化できる「財産管理ノート」がついており、購入者はExcelファイルもダウンロード可能。パソコンが得意な人もそうでない人も、いざという時に備えて相続財産の内容が一覧でわかるようにまとめておきたい。
おふたりさまの老後準備「必須知識7選」
【1】“相続でもめない”ための基本知識
【2】知っておきたい“意外な”相続のルール
【3】“失敗しない遺言”の書き方
【4】遺産を自分の“血縁者に渡す”方法
【5】“身元保証人”の考え方
【6】“死後事務委任契約”について
【7】おふたりさまでも安心の“お墓”
上記の知識をしっかり身につけることができれば、おふたりさまでも安心して老後を迎えられるはず。もし将来が心配だと感じたら、できるだけ元気なうちに身の回りの整理や遺言書を作成しておくことで、愛する人が残されたときの負担もかなり減らせるだろう。
遠い未来の生活を考えることは簡単なことではない。しかし、老後は誰にでも訪れるもの。元気なうちから、真剣に話し合ってみることをおすすめする。
【データ】
書籍:『「おふたりさまの老後」は準備が10割』
著者:松尾拓也
https://str.toyokeizai.net/books/9784492047675
※東洋経済新報社の発表したプレスリリース(2024年6月26日)を元に記事を作成。
コメント
最近のコメント
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お茶
2025-05-15
子供に介護してほしいって、親の勝手なエゴ。
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とくめい
2025-05-15
まだまだ感染症は潜んでますね。この前ネット上で マスク必須ルールの高齢者施設にノーマスクを押し通して親御さんの面会をしたという内容の投稿を見かけ、驚きました。現在はマスク着用は個々の判断ですし、マスクが完全に感染を防げるわけではありませんが、施設を利用している以上、ルールに従うのは当たり前ではないでしょうか。 軽い風邪でも命を落としかねない重病の家族を介護していた身としては少しでも感染リスクを下げられるものなら下げたいと思っていました。喘息や感覚過敏の方はマスクがとても息苦しくてつらいそうですし、互いの表情が見えないことを恐怖に思うかたもいらっしゃいますが、少なくとも着用を定められた場では従うべきでしょうし、心身のやむを得ない事情があるときはあらかじめ相談をして施設の方々に迷惑をかけないのが社会人のあるべき姿ではないかと思いました。マナミコさんもどうかお身体大切に。施設内の感染が1日も早くおさまりますように。
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阿部まゆみ
2025-05-15
私の施設入所のタイミングは、私自身の不調。動機、頻尿、うつ…母がデイサービスから帰りそうな時間から、激しい動機…結局、救急車を呼び、母を付き添い人にして、病院へ。ケアマネさんが、この様子をみて、施設入所を勧めてくれました。コロナ、私だけの介護、終日ふたりだけ…やはり体が碑銘をあげました。しかし、入所後、本当の鬱病になりました。今は孫の世話で、悩む暇はありませんが…介護問題は、人それぞれですね。
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