<故郷のおせち>「新潟のっぺ、石川べろべろ、福井たくあん煮」読者の声を集めました!【中部編】
旬の食材やその土地の特産物を堪能できる正月料理の「おせち」。各地のおせち料理の成り立ちやいわれを知って食べれば、さらに幸せ舞い込むお正月になること間違いなし!女性セブン読者にアンケート調査を行って分かった「中部エリア」で人気の一品とその料理に込められた願いを大公開する!
教えてくれた人
しらいのりこさん(ごはん同盟)/料理家。新潟県出身。
煮物「のっぺ」は新潟のソウルフード
「新潟県内でも、エリアによって入れる材料は変わります。わが家では、だしに干し貝柱を入れ、里いもを必ず入れてぬめりを楽しみます。熱々でも、冷やしてもおいしく、最後にイクラを入れて半煮えでいただくのが◎。貝柱としいたけを前日に戻しておけば、あとは材料を切って煮るだけ。とっても簡単!」(しらいのりこさん)
【新潟県】のっぺ
「里いも、にんじん、くわい、れんこん、こんにゃく、ちくわ、かまぼこなどを干ししいたけや干し貝柱のだしで煮て、しょうゆベースで味つけしたもの。“粘っていること”を指す“ぬっぺい”が語源だそうです」(61才 女性)
【福井県】たくあん煮
薄切りにしたたくあんの古漬けをやわらかくなるまでゆで、だし汁やしょうゆなどで煮た料理。「しっかりと漬け込んだ古たくあんを煮つけるだけのシンプルな料理ですが、福井では欠かせない味」(68才 女性)
【富山県】昆布(こぶ)締め
冷蔵庫がなかった時代に生魚を保存するための方法で、昆布で刺身(鯛、かじき、いか、白えびなど)を挟んで寝かせた料理。寝かせる時間の長さによって刺身の味や身の弾力が異なる。昆布から刺身を取り出して食べ、残った昆布は佃煮などに再利用する。
【岐阜県】大歳(おおとし)のごっつお
「年越し料理」「年越し煮」「お年越し」といった名前で親しまれるおせち料理。各家庭や地域によって具材や切り方は異なるが、「細く長く生きられるように」と願い、必ず糸昆布が加わるという。大みそかからお正月の三が日まで、何度も煮返しながら食べるのが風習。
【石川県】べろべろ/かぶら寿司
「べろべろ」はえびすとも呼ばれる溶き卵の寒天寄せ。甘じょっぱく「おかずなのかデザートなのか」地元民でも判断が難しいそう。かぶら寿司は、塩漬けしたかぶに塩漬けしたぶりなどを挟み、麹でじっくり発酵させたもの。
【長野県】ひたし豆
燥青大豆をゆでて、薄味のだし汁に浸したもの。青大豆は普通の大豆に比べて大粒で低脂肪、甘みも強い。色が濃いものほど風味や歯応えが増す。そのまま食べる以外にも、しょうゆや大根おろしをかけたり豆ご飯にするなどの食べ方がある。
【静岡県】わさび漬け&かまぼこ
わさび漬けは、刻んだわさびの葉、茎、根を酒粕に漬けた料理で静岡土産の定番。温かいご飯の上にのせたり、酒のつまみとして日常的に食べられる。「わが家では、食べやすいように切れ目を入れたかまぼこに、わさび漬けを挟んでいます」(59才 女性)
※おせちに関する情報は、女性セブン読者1584人のアンケート調査結果(10月23日~11月5日に実施)、紀文食品『お正月に関するデータベース/全国の郷土のおせち料理』、農林水産省「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」(ともにサイト記事)を統合し、編集部で総合的に判断したものです。
※各県の一部地域でのみ確認できる料理、県境を越えて食される料理、また一部雑煮、冬期に食す郷土料理等も含まれています。
※各地の料理(または使われている食材)は、大手通販サイトや地方の特産品サイト等で取り寄せが可能なものもあります。
撮影/宮司信吾 写真/農林水産省Webサイトから編集・加工
※女性セブン2024年1月4・11日号
https://josei7.com/
●おせちのアレンジ料理|三が日も食べ飽きない簡単アイデアレシピ