冷えない体を作る「太ももを鍛える芸者エクササイズ」ほか最強のポカポカ習慣16選【専門家解説】
冬になると女性を悩ませる「冷え」。女性に冷え症が多いのは、筋肉量の低下も原因のひとつと言われています。冷えた体の状態でいると、代謝が悪くなり、免疫力が落ちることで、ホルモンバランスの乱れや、体の痛みなどさまざまな不調につながるんだそう。そうならないためにも、今からできる運動習慣を専門家に伺ったのでご紹介します。
教えてくれた人
川嶋朗さん/統合医療SDMクリニック院長、石原新菜さん/イシハラクリニック・副院長、中沢るみさん/管理栄養士、田中優子さん/田中病院・院長、山口勝利さん/全国冷え症研究所・所長
冷え改善に即効性を期待するならスクワット!
体の冷えの改善には、しょうがや、とうがらしなど食べ物で内側から温めるのも大事だが、生活の中でも「ポカポカ習慣」を取り入れることを忘れてはいけない。必須なのは運動だ。体温は筋肉量が多いほど上がりやすく、女性に冷え症が多いのは筋肉量の少なさも一因とされる。
→“体の冷え”は4タイプ「末端」「下半身」「 内臓」「全身」あなたはどのタイプ? 冷えの4タイプ早わかりチェックリスト【専門家監修】
「お尻や太ももなど全身の6~7割の筋肉が下半身に集中しているので、スクワットをすることで効率的に筋肉を鍛えることができます。
特に下半身冷え症の人は、座りっぱなしの姿勢が続くことなどで筋肉が落ち、血流が悪くなっていることが冷えの原因。スクワットは即効性が期待できます。内臓冷え症の人は、腹筋をするのも効果的です。冷えによって引き起こされる便秘の改善にもつながります」(石原さん)
田中さんが紹介するのは、「相撲エクササイズ」と「芸者エクササイズ」だ。どちらも室内で簡単に、ゲーム感覚で始めることができる。
「『相撲エクササイズ』は力士が四股(しこ)を踏むように、中腰で片足ずつ上げ下げする運動です。1日10分行うのが理想ですが、意外とハードなので、最初は数分から始めるのがよいでしょう。
『芸者エクササイズ』は正座の状態から立ち上がります。正座するのは一瞬でかまいません。正座の姿勢から手を使わずに立ち上がることがポイントです。スクワットと同様に、筋肉量が多いふくらはぎと太ももを効率的に鍛えることができます。1日20回が目安です」(田中さん)
筋トレが苦手な場合はウオーキングやつま先立ちを
筋トレが負担になる人は、まず歩くことから始めたい。腕を振ってウオーキングするだけで全身運動になり、血流促進にも効果がある。
「毎日20~30分、腕を振り、やや早歩きで取り組んでください。外に出るのが難しい場合は、自宅でつま先立ちを1日30回程度したり、片足で左右1分ずつ立つのもおすすめです」(石原さん・以下同)
体を温めるためには、湯船につかる入浴の習慣も大切だが、温度や入り方には気をつけたい。
「睡眠改善やむくみ改善では、ぬるめのお湯につかる半身浴が推奨されることもありますが、冷え改善では汗をかくことで逆に体を冷やしてしまうため絶対にNG。40℃くらいのお湯に10分程度つかり、うっすら汗をかくくらいを目安にしましょう。末端の冷えや下半身の冷えには足湯もいいですね。特に寝る1時間半前くらいに行うと寝つきもよくなるので一石二鳥です」
フリース素材より綿素材を選ぼう
冷え対策のつもりが、冷えを助長していることもある。全国冷え症研究所所長の山口勝利さんが指摘するのは、冬に重宝するフリースなど合成繊維の重ね着だ。
「合成繊維は静電気が発生しやすいため、部屋着や靴下、毛布などに気を配ってほしい。冬は想像以上の静電気が発生するので、帯電すると自律神経が乱れを引き起こして、冷えが悪化します。特に肌に直接触れるものは、綿など天然素材の衣類を身に着けてください」
末端冷えタイプは、足先の血流を意識しよう。
「ブーツを履いて足元を温めるのはいいことですが、足先がシャープな形状をしているブーツは足先が動かないので、血流が低下して冷えを招きます。靴下の重ね履きも要注意。ピタッとしたものを何枚も重ねると血流が悪化します。重ねるなら締めつけないものを選ぶといいでしょう」(山口さん)
健康も美も、冷え改善で手に入れられる。究極のアンチエイジングとして、まずはできるところから始めよう。