“体の冷え”は4タイプ「末端」「下半身」「内臓」「全身」あなたはどのタイプ？冷えの4タイプ早わかりチェックリスト【専門家監修】

　いよいよ冬が到来すると、女性を悩ませるのが「冷え」。手足が冷える人もいれば全身が冷える人もいて症状はさまざま。専門家によると冷えは大きく分けて4つのタイプがあるという。まずは自分がどのタイプの「冷え症」なのかを調べてみよう。

川嶋朗さん／統合医療SDMクリニック院長、石原新菜さん／イシハラクリニック・副院長、中沢るみさん／管理栄養士、田中優子さん／田中病院・院長、山口勝利さん／全国冷え症研究所・所長

体の冷えは大病を招く可能性もある

「ホットカーペットはもちろん、ファンヒーターもつけて、寝るときは電気毛布だけではなくフリースのパジャマに靴下をはいて全身を温めているのに、手足は冷えたまま。昔から冷え症だと自覚しているけど、何をやっても変わらないので、これ以上どうすればいいのかわかりません」

　会社員の町田陽子さん（52才・仮名）は、加齢とともに冷えが悪化すると嘆く。

　どんな対処法を試してもなかなか改善しないというが、冷えを諦めて放置するのは危険。体の冷えは年齢を重ねるごとにひどくなり、大病を招くこともあるからだ。

　統合医療SDMクリニック院長の川嶋朗さんが指摘する。

「体が冷えると体温が下がり、血流が悪くなります。すると酸素や栄養が末端まで運ばれにくくなるうえに、老廃物も排出されにくくなってしまう。代謝が悪くなり免疫力が低下することで、ホルモンバランスの乱れやうつ、体の痛みなどさまざまな不調につながるほか、感染症やがん罹患のリスクも上がります。むくみや肌のくすみなど美容面でもデメリットが多く、女性にとって冷えはまさに万病のもとです」

冷えには4つのタイプがある

　冷え症といっても、その症状は人によってさまざま。実は大きく分けて、「末端冷え症」「下半身冷え症」「内臓冷え症」「全身冷え症」の4タイプがある。

　イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが解説する。

「『末端冷え』は、指先など末端部分に冷えを感じるタイプですが、体温までは下がりません。『下半身冷え』は、下半身が冷えているのに上半身がほてっている状態で更年期の女性に多く見られ、筋肉量不足で引き起こされます。『内臓冷え』は内臓に血液が充分に届いておらず、機能が低下している状態。自覚症状がない人も多いですが、胃腸のトラブルを抱えていて、お腹を触ると驚くほど冷たいのが特徴です。『全身冷え』は、まさしく手足も内臓も全身が冷え切っているタイプ。平熱が35℃台の低体温という人が多いです」

末端冷え症は冷えの初期、全身冷え症は重症度高めの状態

　4つのタイプは、重症度のバロメーターにもなると川嶋さんは言う。

「末端冷え症は、いわゆる冷えの初期段階。次に心臓から遠い下半身が冷える下半身冷え症になります。次第に冷えの範囲が広がり、内臓まで冷えることで自律神経が乱れやすくなり、体の不調につながっていくことになる。全身冷え症は、免疫力も格段に下がり病気を呼びこみやすい体になってしまう、重症度の高い状態です」

　自分がどのタイプかを知るためにはどうすればいいのか。川嶋さんが続ける。

「ベッドで布団をかけて横になっているとき、本来なら布団で覆われているところはどこも同じ体温になるはずです。なので、脇の下に手を入れて体温を確認してから、お腹や下半身に手をあてて体温を比べてみましょう。手足だけが冷たければ末端冷え症、足は冷たいのに手が温かければ下半身冷え症など冷えの部位がわかります」