冬の肌力を高める<生活習慣ランキング>トップ3は「保湿、睡眠、食」理由を専門家が解説
【3位】保湿/51点
「保湿剤を塗布することで皮膚に膜が張り、水分の蒸発を防げる。朝晩欠かさず保湿するのがおすすめ」(松田さん)、「洗顔や入浴後は水分が蒸発しやすくなっているので、肌を濡らした後は20分以内に保湿成分を浸透させるとよい」(桐生さん)
【2位】良質な睡眠/56点
「睡眠中は成長ホルモンとメラトニンが分泌され、肌の回復を促す」(金丸さん)、「深い睡眠のときに成長ホルモンが分泌され、肌の修復や再生を促す」(古市さん)、「睡眠不足や睡眠の質の低下は、体へのストレスとなり肌荒れやニキビといった肌トラブルにつながる」(望月さん)
【1位】食生活の改善/60点
「糖分の摂りすぎなど偏った食生活は老化を進めるAGEsという物質を増やす」(金丸さん)、「栄養素が偏らないよう、乾燥予防や美肌に効果的な栄養素をしっかり摂って」(古市さん)、「毎日決まった時間に食事をとることを基本に朝食はしっかり食べ、夕食は早い時間にすませることを意識して」(望月さん)
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肌の乾燥&老化を防ぐ究極の習慣1位は「食生活の改善」
「究極の習慣」のトップになったのは「食生活の改善」だった。食生活の見直しを1位に挙げた美容皮膚科医でみらい病院の前山美千代さんが言う。
「炭水化物や脂質を多く含む食事は、血糖値を変化させやすく、余分な皮脂の分泌も促してしまうので、肌環境を悪化させがちです」
肌力を上げるには、毎日のスキンケアも欠かせない。3位にランクインしたのは保湿。ひとくちに保湿といっても、ただ肌を潤せばいいというわけではない。そのポイントは多岐にわたる。
「乾燥は肌のバリア機能を低下させます。化粧水だけでは蒸発してしまうので、乳液や美容クリームなどを重ね塗りしましょう」(やさしい美容皮膚科・皮フ科院長の宇井千穂さん)
スキンケアと並行して、朝晩に保湿剤を使うのも有効だ。センシンクリニックの松田明子さんが、その効果を説明する。
「保湿剤の主成分には主にワセリン、ヘパリン類似物質、尿素などがあります。水分の蒸発を抑える、角層に水分を与えるなど成分によって働きが異なるので、目的に合ったものを選びましょう」
6位に挙がったのは、肌のお手入れをしているつもりが、肌を摩擦しすぎてしまい逆効果になる危険性の予防。美容皮膚科医でスクエアクリニックの桐生有紀さんは、肌への摩擦が水分を奪うという。
「肌を刺激しすぎると、潤い成分を保持できなくなってしまいます」
皮フ科かわさきかおりクリニック院長の川㟢加織さんも続ける。
「肌への刺激を最小限にするため、ダブルクレンジングはやめましょう。ダブル洗顔不要のクレンジングを選んだり、クレンジング不要の化粧品を選んだりと、洗いすぎをやめることも大切です」
夏が過ぎたからといって、4位の日焼け対策も怠るわけにはいかない。
「肌老化の半分以上の原因は紫外線が原因の光老化。一年中日焼け止めを塗ることでシミやしわ、たるみを予防できます」(川㟢さん)
これらの“外からの対策”を抑えて、2位に入ったのは良質な睡眠。これも1位の食生活同様、美肌につながる体の内側からの体質改善だ。
「睡眠中に分泌される成長ホルモンには、皮膚の新陳代謝を促し、肌を再生させる働きがあります。紫外線で受けたダメージや、切り傷などの傷も睡眠中に修復されるのです。質のいい睡眠をしっかりとるためには、早寝早起きを心がけることです」(田中病院院長の田中優子さん)
睡眠を「お金がかからないアンチエイジングの特効薬」と絶賛するのは、恵比寿こもれびクリニック院長で形成外科医の西嶌暁生さん。
「睡眠不足は【1】交感神経を刺激する、【2】血圧を上昇させる、【3】ストレスホルモン(コルチゾール)を増加させる、【4】成長ホルモンの分泌を低下させるなど、血管を老化させるさまざまな要因になり、肌力を著しく低下させてしまいます」
空気が乾燥して肌にはつらいこれからの季節、究極の習慣で「肌からの若返り」を目指そう。
写真/PIXTA
※女性セブン2023年11月23日号
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