兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第212回 ツガエ施設入居に向けて動きます!】
食事や水分をを1人で摂ることが困難になってしまった若年性認知症の兄のために、妹のツガエマナミコさんは、毎回、食事介助をすることになりました。予期せぬ1人でのお出かけ、トイレではない場所でしてしまう排泄…これまでに起こってきた認知症によるさまざまな出来事に1人で立ち向かってきたマナミコさんでしたが、そろそろ在宅介護の限界を意識し始めたようです。

* * *
64才のかまってちゃんに「あ~ん」
先日、久しぶりに一人でスーパーに行った帰りに、2人連れの迷子とすれ違いました。お2人そろって歳の頃なら4~5歳。男の子は自転車にまたがり、女の子はぬいぐるみを抱いて、マンホールを見降ろしながらこんな会話をしていたのでございます。
男の子「下水って書いてあるよ」
女の子「こっちかな?」
男の子「だからここ下水だって。下水のところを行くんだけど」
女の子「どっちに行けばいいかな」
道に迷っているのがわかり、しばらく様子を見ていましたら、女の子と目が合って「すみません」と声を掛けられました。
「どうしたの?」と聞いたら「ウチを教えてくれませんか?」と突然の質問。これ以上ないほど無駄のない問い掛けに、ほんの一瞬「このオバチャンの家を知ってどうするの?」と