フランスの医師が発見!腰痛を緩和する革命的なツボの場所と速効ストレッチを専門家が解説
腰痛も「耳」と「手」のツボを押さえることで緩和できる。セルフケア講座の開催や普及活動を行う「アジアン・ハンドセラピー協会」代表理事の松岡佳余子さんが解説する。
「特に【5】耳ツボの歴史は古く、20世紀半ばまでさかのぼります。フランスの神経科医であるポール・ノジェによって発見され、世界中に発信されました。
彼が耳と腰の相関関係に気がついたのは、耳にやけどの痕がある患者が多いことを見つけたことがきっかけ。やけどの理由を聞いてみたところ、焼けた火箸で耳を刺激して腰痛を治す女性がいて、非常に効果があるとして多くの患者が通いつめていたというのです。ポールはその方法を医学的見地を用いて研究し、耳の穴の上部に腰痛に効くツボがあることを突き止めました」(松岡さん・以下同)
世紀を超えて伝承された耳ツボの刺激方法はいたって簡単。耳の穴に小指を差し入れ、斜め外側の上に30秒ほど引っ張るのみ。左耳を時計に見立てると1時の方角だ。
腰の痛みにも効く「耳ツボ」刺激
●1時:腰痛、関節痛など
●2時:食欲不振、胃もたれなど
●3時:二日酔い、腹痛など
●4時:風邪せきなど
●5時:めまい、更年期障害など
●6時:頭痛、眼精疲労など
●7時:鼻炎、片頭痛など
●8時:扁桃炎など
●9時:歯痛、顔のむくみなど
●10時:めまい、耳鳴りなど
●11時:便秘、口内炎など
●12時:皮膚炎、高血圧、不眠など
「並行して、【6】手のツボを刺激することも推奨します。親指と人差し指の間のへこんでいるところが該当します。実際、この部分に輪ゴムを巻いて常に刺激しながら生活することで腰痛が改善したとの声も寄せられています」
ツボを刺激する「輪ゴム巻き」
親指と人差し指の間には腰痛に効くツボがある。輪ゴムを巻き付けることで、常に刺激することができる。
ひざの痛みもたった10分の耳ツボで解消
グルコサミンのサプリメントにヒアルロン酸注射、サポーターや鎮痛剤―「ひざ痛解消」をうたう商品や治療は数多あり、それだけ痛みに悩み、あらゆる方法を試しても改善のきざしが見えない人が多いことが見て取れる。
「整形外科で変形性ひざ関節症と診断された72才の男性は家の中の階段の上り下りにすら苦労するほどのひざの痛みに悩まされ、ヒアルロン酸の注射やリハビリをするなどして10年通院してもまったく改善されなかったと話していました」
彼を10年来の痛みから救ったきっかけもまた、耳ツボだったと松岡さんは続ける。
「耳への刺激を10分行っただけで、それまで痛みをこらえながら上っていた階段を難なく移動できるようになったと喜びの声が届きました。【7】ひざのツボも、左耳を時計に見立てると 1時の方角で腰痛と同じなのですが、より外側に引っ張るように刺激してみてください」
ツボ押しで痛みを緩和させながら、もとを絶つべく対処に努めたい。遠藤さんが推奨するのはひざまわりのむくみを解消し、筋肉を鍛えること。
「ひざの痛みの原因は大きく分けて2つ。1つ目は筋肉を覆う『ファシア』と呼ばれる膜がむくみ、筋肉を圧迫すること。特に女性はホルモンの影響でむくみやすいため、サプリや薬の前に、まずは【8】しっかり水を飲むことを意識してほしい。コーヒーやお茶には利尿作用があるため、それらを飲む習慣がある人はさらに多く水を飲むようにしてください。もう1つは太ももの筋肉が減ってひざの関節が不安定になり、神経が刺激されることです」(遠藤さん・以下同)
遠藤さんは筋肉を効率的に鍛える方法としてひざを伸ばす働きをする大腿四頭筋にアプローチする「【9】脚上げ体操」を推奨する。
「仰向けに寝て、片脚のひざを立て、伸ばしている方の脚をまっすぐにしたまま、10cmほど上げ下げしてください。毎日3分ほど行えば1~2週間で快方に向かうはずです」
年を重ねても自分の足で歩くために、ひざを鍛えることはマストだろう。
ひざを安定させる「脚上げ体操」
<1>片方のひざを立て、仰向けになる。
<2>伸ばした脚を10cmほど宙に浮かせ、また戻す動作を片脚ずつ3~5分行う。
教えてくれた人
原幸夫さん/いいだ整骨院院長、遠藤健司さん/東京医科大学整形外科准教授、松岡佳余子さん/「アジアン・ハンドセラピー協会」代表理事
イラスト/飛鳥幸子、勝山英幸
※女性セブン2023年8月10日号
https://josei7.com/
●むくみ、腰痛、肩こりなど5つの悩みを解消するストレッチ|ケアピラティス