フランスの医師が発見!腰痛を緩和する革命的なツボの場所と速効ストレッチを専門家が解説
日本人の平均寿命が男女ともに80才を超える中、腰やひざなど身体のどこかに痛みを抱えている人も増えている。症状が軽い場合は薬や湿布で治療を行うが、なかなか良くならない場合も多い。薬やサプリメントだけに頼らない「腰やひざの痛みを予防・改善する方法」を専門家に教えてもらった。
腰痛の8割は原因不明!動かすこととストレッチで解決するべし
腰痛は二足歩行を始めた人類の“宿命”とされ、古代ギリシア時代にも治療に関する文献が残るほど私たちとのつきあいは古い。しかしそのメカニズムはいまだ解明されていない部分もあり、いいだ整骨院院長の原幸夫さんは、「国際的な腰痛ガイドラインでは、腰痛が起きる原因の8割が“不明”とされている」と話す。
「つまり、レントゲン、MR検査などの画像診断でヘルニアや背骨の変形がみられても必ずしも腰痛の原因を意味しないということ。近年、腰痛の原因として注目されるのが筋肉の緊張や関節の動きの悪さ、身体各部の相互のアンバランスです。これらの改善のため、【1】腰や腰以外の筋肉にアプローチする必要があります」
つまり、手術や薬など病院で行われる治療のほとんどは効いているかどうかわからないのだ。
多くの腰痛患者と対峙してきた東京医科大学整形外科准教授の遠藤健司さんも、痛みの由来が筋肉の硬直にあったケースが目立つと声を揃える。
「散見されるのは間違った姿勢で座り続けた結果、痛みが生じているパターンです。特にオフィスワーカーの人は、骨盤を後ろに倒してダラっと座る仙骨座位という座り方をしている人が多い。これは背骨のS字カーブを失わせ負担をかけるばかりか、上半身を支えるのに背中から腰、お尻の筋肉を緊張させねばならず、腰痛の原因になるのです」
では、背筋を伸ばして座っていれば腰痛を予防できるかといえば、話はそう簡単ではないと遠藤さんは続ける。
「いい姿勢を維持しようとすることで背中や腰に力が入り、筋肉が固まって痛みの原因になってしまうこともあります。そもそも、座ったままの姿勢で背骨や筋肉を動かさずにいること自体が痛みを生む。実際に筋肉は30分動かさないだけで固まりはじめてしまうため、【2】30分ごとに1回動かすように心がけるだけでも痛みは改善されていきます」
原さんは腰痛解消のカギとして2つの筋肉に注目する。
「1つ目は大腰筋(だいきょうきん)と腸骨筋(ちょうようきん)の総称である『【3】腸腰筋』。背骨の腰のあたりから骨盤を通って太ももの内側までつながっており、この筋肉が硬いと腰が反ってしまい腰痛を起こします。ここのストレッチで腰痛が改善されます。立てひざの姿勢から腰を反らさず脚の付け根を前に突き出すようにして伸ばしてください。もう1つは【4】お尻の筋肉です。片脚を曲げて椅子の上に乗せ、上半身をゆっくり前に倒していくことで筋肉をほぐすことができます。自宅で気軽に行えるため、積極的に取り組んでほしい」
腰痛に打ち克つ「2大トレーニング」
腸腰筋ストレッチ
<1>脚を前後に開き、ひざをつける。
<2>脚の付け根を前に押し出すようにして腸腰筋を伸ばす。このとき、腰が反らないように注意すること。もう片方の脚も同様に行う。
お尻ストレッチ
<1>片脚を曲げて椅子の上に乗せる。
<2>骨盤を倒すことを意識しながら、上半身をゆっくり前に倒していく。もう片方の脚も同様に行う。
要チェック!腰痛を招く座り方
<1>骨盤が傾いている
<2>S字カーブが失われている