父が肺炎で入院…。家に残された母のほうが心配かも【実家は 老々介護中 Vol.23】
80才になる父は、がん・認知症・統合失調症と診断され、母が在宅介護をしています。美容ライターの私は、たまに実家を手伝っています。父の様子がおかしいと思っていたら、なんと入院に。家で待つ母は気力をなくして、顔も洗わず家でぼんやりしていました。母が健康でないと困るのですが、離れて暮らす私はそんな母をどうやって支えていったらいいのか、悩みは尽きません。
いろいろ気遣って暮らしていたのに、肺炎を防げなかった
「お父さん、熱が出ちゃってね。今38.7度あるのよ。それで、訪問診療さんが来てくれることになって、待ってるところなんだよ」
夕方、実家に電話するとまたも急展開。数日前、父がベッドにもぐり込んであまり食事を摂らなくなりました。一度顔を見に行ったのですが。点滴と介護食で少し元気を取り戻したように見えたのに、やっぱり弱っていたのかな。
「お父さんに電話替わろうか? ちょっと待ってね」と母が言うので、「えっ、熱あるんだし、いいよ」と言っている間に、電話の向こうから苦しそうな息遣いが聞こえてきました。うわ、つらそう。
その電話を切ってから1時間後、母からまた電話が。
「お父さん、入院したのよ。お医者さんに、救急車呼ぶように言われてね」
肺炎で脱水も起こしていたそうです。母といつも、「肺炎には気をつけようね、誤嚥性肺炎なんて、免疫落ちたらすぐなっちゃうんだから」なんて言っていたのですが、防げませんでした。ひとまず、父は入院先でコロナ検査を受け、結果が陰性なら明日面会できるそう。私は訪問看護師さんに電話して、ほかにも情報がないか聞いてみました。
「肺炎になって、熱で水分が出ていっちゃったんですね。お母さまも、もうちょっと看れたら良かったんだけど…」と。お礼を言いながら電話を切り、プロからすると、家族が介護する様子にハラハラするのだなと思いました。
とりあえず、家に残された母が心配。夫に子どもたちを任せて様子を見に行きました。電車で2時間、20時くらいに遅めの夕飯を買っていき、ふたりで食べていると。
「ご飯ありがとうね。もう、作る気なんて起こらないのよ。食べてくれる人がいないんだもの」と母。
もし父がコロナだったら、最悪の展開もありえるのだろうか。じゃあ施設に入ったらいいかというと、母と家で過ごしたいのだから、これもあるべき姿なのかな?
ふとこの先のことを考えてしまいます。母がひとり残されたら、どんな気持ちで過ごすのか? 自分と夫にも、そのときは将来必ず来るんですよね。死がリアルに感じられて、落ち着かない夜でした。
文/タレイカ
都心で夫、子どもと暮らすアラフィフ美容ライター。がん、認知症、統合失調症を患う父(80才)を母が老々在宅介護中のため、実家にたびたび手伝いに帰っている。
イラスト/富圭愛
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