視力が蘇る「老眼回復スイッチ」を専門家が解説|劇的に視力が回復する「ガボール・アイ」など6選
年齢を重ねると多くの人が悩む“老眼”。細かい字を読もうと、近づけたり遠ざけたり…うんざりしていませんか。そこで、劇的に視力が回復する「ガボール・アイ」や目の不調に効果的な「ツボ」など、「老眼回復スイッチ」を8つ紹介します。パッとピントの合う視界を目指しませんか。
誰しもが悩む“老眼”のしくみ
「老眼ロードまっしぐらです」
5月10日に更新したインスタグラムに、お菓子のパッケージに書いてある細かい文字を目から離して読もうとする様子をアップして、そうコメントした工藤静香(53才)。
老眼に悩むのは工藤だけではない。都内在住の藤田恵さん(仮名・50才)がつぶやく。
「遠くのものはきちんと見えるのに、近くのものにピントが合わなくなって困っています。読書が趣味ですが、年を重ねるごとに小さな文字が読みづらくなりました」
芸能人、一般人関係なく多くの人を悩ませる老眼はなぜ起こるのか。
「ポイントは目のレンズにあたる『水晶体』の働きです」と語るのは二本松眼科病院副院長で眼科医の平松類さん。
「私たちが近くを見るときは水晶体が厚くなり、遠くを見るときは逆に水晶体が薄くなることでピントが合います。しかし、加齢によって水晶体が弾力を失って硬くなったり、水晶体の厚さをコントロールする『毛様体筋(もうようたいきん)』という筋肉がうまく働かなくなったりすると、ピント調節機能が低下して手元が見えづらくなります」
●老眼のしくみ
加齢によって「水晶体」が硬くなったり、その厚さをコントロールする「毛様体筋」がうまく働かなくなることにより、ピント調節機能が低下し、老眼が引き起こされる。
早めの対処で進行をゆるやかに
一般的に老眼は40代半ばで症状が出始め、60代のほぼ全員が悩まされる“国民病”だ。慶応義塾大学医学部眼科学教室教授の根岸一乃さんは初期の段階で手を打つことが大切だと語る。
「ピントが合うのに時間がかかるようになったり、暗いところで近くのものが見えにくくなったりするのが老眼の初期症状です。特に夕方になると見えにくくなる場合は、たんなる疲れ目ではなく老眼が疑われます。老眼を放置すると頭痛や肩こりなどを招くことにもなり全身の健康に影響して、QOL(生活の質)や幸福度が下がるというデータもあります。ただの老眼ではなく緑内障や白内障といった目の病気が隠れていた場合、最悪のケースでは失明につながるため、早めに眼科を受診して診断してもらうのが大切です」
つまり早めに対処すれば進行をゆるやかにしたり、病気のリスクを軽減することもできるのだ。
「老眼は基本的に年齢を重ねると誰もが抱える症状で、視覚情報を認知しにくくなるため認知症につながる恐れもあります。ただし、トレーニングや生活習慣の改善などで視力が回復したり、症状を和らげることは可能です。老眼の症状が出たら、すぐに対処しましょう」(平松さん・以下同)
老眼はきっと乗り越えられる。あなたの視力を回復させる「老眼回復スイッチ」を紹介しよう。
視力を回復させる「老眼回復スイッチ」
まずはトレーニング。失われた視力を回復できる可能性が高い方法が「【1】ガボール・アイ」だ。
「ノーベル物理学賞の受賞者であるデニス・ガボール氏が考案した『ガボール・パッチ』と呼ばれるしま模様の画像を用いた視力回復法です。やり方は簡単で、ランダムに並んだしま模様を目で追いながらトランプの神経衰弱の要領で同じ模様を見つけるだけ。1日3分ほど集中して続ければ、2週間ほどで視力が0.2ほど回復するといわれます」
同じ画像を目で追うだけで、なぜ視力が回復するのか。ポイントは「脳」にある。
「私たちがものを見るときはまず眼球の網膜が光を捉え、電気信号として脳に伝える。その後、脳で処理された画像が視界として認識されます。ガボール・アイは画像を見分ける訓練をすることで脳の処理能力を鍛え、結果として視力を向上させます」
画像さえあればいつでもどこでもできることも魅力だ。
【1】1日3分で視力が0.2回復する「ガボール・アイ」
いちばん右上のしま模様から順番に同じ模様を探し、見つけ終わったら終了。(監修/平松類さん)
【2】人差し指ストレッチ
併せて行いたいのが「【2】人差し指ストレッチ」。
顔から30cmほど離した人差し指にピントを合わせて10秒見て、それから2m以上先の目標物にピントを合わせて10秒見る。これを1セットにして、1日10セット行うトレーニングだ。
「近くと遠くを交互に見つめることで、ピントを合わせるときに使う毛様体筋がストレッチされてほぐれ、老眼を改善します。コツは近くも遠くもしっかりピントを合わせること。6m以上遠くを見るとより効果的です」
老眼に悩まされていた女優の沢田亜矢子(74才)は平松さんの指導のもと、ガボール・アイと人差し指ストレッチを3週間ほど続けた。すると0.6だった視力が1.0まで回復し、老眼鏡を使わず、裸眼で台本を読めるようになったことを過去のインタビューで語っている。
【3】老眼鏡で眼球リセット
老眼鏡を用いた「【3】眼球リセット」も手軽で効果的だ。
老眼鏡には「遠」「中」「近」という3つのタイプがあるが、その中から「中」を選んでかけ、1m以上先を5分ほど見る。
「老眼鏡をかけるとピントが合わず視界がぼやけます。このとき、目がピントを合わせることをあきらめることで、毛様体筋の緊張がほぐれてリラックスするためピント調節機能が回復してきます。老眼鏡を外したら、ぼやっとした視界がクリアになるはずです」
老眼鏡は100円ショップで売っているもので充分。メガネやコンタクトレンズの人は、つけたままでその上から老眼鏡をかけよう。
【4】ホットタオルで血流をよく
日々のセルフケアも老眼対策になる。女優の藤原紀香(51才)がかつて実践していると明かしていたのは「【4】ホットタオル」だ。
「目の疲れや緊張をほぐすには目のまわりの血流をよくすることが大切です。水に濡らして絞ったタオルを電子レンジで40秒ほど温めて、目に1~3分ほど当ててください。血流がよくなって老廃物が排出され、毛様体筋の働きが改善。ピント調節機能が回復します」
目を温めるのはタオルでなくてもいい。タレントの大桃美代子(58才)はお湯で温めた大きめのスプーンで目のまわりをマッサージすることで、大幅に視力が回復したとテレビ番組で語った。やけどに注意しながら、ぜひ実践してみてほしい。
【5】日常的に目を動かす
「【5】日常的に目を動かすこと」でも老眼を遠ざけることは可能だ。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが指摘する。
「いまは多くの人がスマホやパソコンを長時間利用しますが、近くのものを見続けると毛様体筋が緊張した状態が続きます。時折スマホやパソコンの画面から目を離して目を上下に動かしたり、左回り、右回りでぐるりと回転させたりすると毛様体筋がゆるんで目の緊張がほぐれます」
【6】目の不調をほぐすツボ押し
東洋医学の「ツボ押し」も試す価値がある。
「東洋医学には目の不調をほぐすとされるツボがあります。代表的なツボは、目頭の少し上にある『晴明(せいめい)』、目尻と眉尻の中間付近にある『太陽』。目の周囲にあるツボだけではなく、手の甲の親指と人差し指の骨の分かれ目あたりにある『合谷(ごうこく)』は目の疲れに効果があるとされます」(平松さん・以下同)
●目の不調をほぐす3つのツボ
平松さんがおすすめする代表的なツボが「晴明(せいめい)」「太陽(たいよう)」「合谷(ごうこく)」の3つ。
※女性セブン2023年6月22日号
https://josei7.com/
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