「医療費」より高額な「介護費」はケアマネジャーへの相談がカギ
生活保険文化センターによると、介護にかかる期間は平均4年7か月、かかる費用は平均月7.8万円だという。
「5年近くも月7万円以上を捻出できる家庭は多くありません。実際は月2万~3万円程度というのが実感です。とはいえ、家庭の状況によっては、介護タクシーや配食、掃除など、いわゆる介護保険が適用されない『横出しサービス』や、公的介護サービスの支給限度額を超えた『上乗せサービス』を利用せざるを得ない場合もあります。基本的にこれらは全額自己負担となり、こうしたサービスが家計を圧迫している現状もあります」
だが、介護費用が高くなっても、悲観することはないという。
「『高額介護サービス費』というものがあります。これは、高額療養費制度の介護版で、介護保険適用のサービスの合計額が4万4400円(標準的な家庭の場合)を超えた場合、申請すれば超過分は払い戻されます。また、もし子供など現役世代と二世帯住宅に住んでいて、世帯全体の所得が高い場合は、『世帯分離』の手続きを行って世帯所得を低くすることで、介護費が下がることもあります。自治体により対応が異なるため注意が必要ですが、検討してみてもよいでしょう」
介護のお金は複雑でわかりにくい。不安なら、地域包括支援センターに足を運びたい。
「自治体によって、横出しサービスを無料あるいは安く提供したり、上乗せサービスを自治体の裁量で認めたりしているケースもあります。知らないと損する介護の世界。お金のことも、恥ずかしがらずにケアマネジャーに相談しましょう」
介護はケースバイケースで答えがないからこそ、地域のケアマネジャーを頼りたい。
※女性セブン2019年1月3・10日号