樹木希林さん、大島渚さんの「見事な逝き方」延命治療の意思決定は早めにすべき理由を医師が解説
日本は少子高齢化が進み、人生100年時代といわれる長寿社会を迎えた。そんな中、大切なのが「どう死ぬか」だ。入念な準備をした人もいれば、最期まで病気に抗い「幸せな最後」を迎えた人もいる。残された家族に負担ではなく思い出を残す、「見事な逝き方」を探った。
総額10億円の遺産相続を生前に行っていた樹木希林さん
日本における「見事な逝き方」といえば、2018年9月に逝去した女優の樹木希林さん(享年75)が思い浮かぶ。
2004年に乳がんを発症した樹木さんは、再発や転移を繰り返しながらも自然体で仕事を続け、いくつもの映画に出演。亡くなる直前には入院先から自宅に戻り、自分のベッドで永遠の眠りについた。
「余命宣言を受けてから、総額10億円といわれる遺産相続の準備にも余念がなかった。死後、不動産は長女の内田也哉子さん(47才)と娘婿の本木雅弘さん(57才)、孫の伽羅さん(23才)らに速やかに名義変更されました。“争続”とは無縁の見事な手腕でした」(芸能リポーター)
樹木さんは乳がんが判明してから14年にわたる闘病を続けた。その過程で全身がんを公表し、本誌インタビュー(2017年1月5・12日号)では、<これからはがんや病気とは一緒に生きていく時代ですよ>と答え、自身の闘病についてはこう語っていた。
<大丈夫じゃないけど、だいたい、これ(がん)をやっつけようとかって思わないのよ。「がんと真剣に向き合って」とかも思わない>
超高齢化時代には、樹木さんのように病気とともに生きるしなやかな決意も必要だ。
病をかかえながら生きることについて「かわいそう」とも「負けないで」とも他人にとやかく言われたくないと思う人は少なくない。樹木さんも2016年に宝島社の新聞広告に登場し、「死ぬときぐらい好きにさせてよ」というキャッチコピーで延命治療や尊厳死に一石を投じた。
→浅田美代子流「孤独の生き様」|樹木希林さんに従ったことと背いたこと