【金スマ】で話題「ひざ裏のばし」3ポーズを川村医師が直伝! その奇跡のメソッドとは
『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)にも出演、寝たきり予備軍のおばあちゃんたちを、たった数か月でブリッジや開脚などができるように導くと、今話題なのが、かわむらクリニック院長の川村明さん。
川村さんが考案した”ひざ裏のばし”ストレッチとはどんなものなのだろう。ヨガをベースにしたこのストレッチは、誰でも簡単にできるという。
「ひざ裏をのばすと、自律神経が整い、代謝や免疫力が上がるなどいいことずくめ」と語る川村さん。それはなぜなのか。理由と正しいやり方を教えていただきました。5年間で2000人以上もの高齢者を元気にしたという”奇跡のメソッド”とは?
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ひざ裏のばしはいいことずくめ
「ひざ裏が曲がっていると万病のもとになります」と川村さん(「」内、以下同)。
というのも、ひざ裏の筋肉が衰えて曲がると、太ももの筋肉が縮み、骨盤が後ろに傾く。すると腹筋がゆるんで背中も曲がり、 腰の曲がったおばあさん姿勢になってしまうのだ。そして、この姿勢が心身の不調を引き起こす。
「背中が曲がって肩が丸まると、呼吸が浅くなり、血流が悪くなって代謝が落ち、免疫力が低下。自律神経も乱れてしまいます。さらに、脳への血流が低下するので、認知機能にも悪影響を及ぼします」
しかし、背中が曲がるなら、背筋をのばせばよさそうだが、なぜひざ裏なのか?
大切なのは毎日続けること
「体をのばす筋肉の力を”伸展力”といいます。この伸展力を担うのは体の後ろ側の筋肉で、その起点となるのが”ひざ裏”なんです。だから、ひざ裏が曲がると、姿勢全体がゆがんでしまうんです」
ひざ裏をのばせば、姿勢が整うだけでなく、体の中心の筋肉”体幹”にも力が入って鍛えられ、動ける体になる。川村さんがこのことに気づいたのは、55才から始めたヨガがきっかけだったという。
「それまでの私は、うつや大腸ポリープ、腰椎椎間板ヘルニアに悩まされていました。ところが、ひざ裏をのばす動きの多いヨガを始めると、半年で好転。腰痛や足のしびれがなくなるなど、奇跡が続々と起こったのです」
ひざ裏のばしは3つのおすすめポーズがある。どれも1ポーズ1分ほど。
「大切なのは毎日続けること。面倒なら、1ポーズでもOK。カレンダーにチェックをし、3日、3週間、3か月と続いたごとに、自分にごほうびをあげるなどして、とにかく毎日やってください」
曲がった背中が伸びた!ブリッジができた!…喜びの声続々
実際、末永八重子さん(84才)は、70代後半には背中が曲がり、”寝たきり予備軍”とまでいわれていたが、4年前にストレッチを始めたところ、脚がここまで上がるように。背筋もまっすぐになった。
原田美代子さん(84才)も、ストレッチを始めたのは4年前。それまでは股関節に痛みがあり、床に座るのもひと苦労。しかし今では、ひざ裏や股関節、肩甲骨の柔軟性が増し、ブリッジまでできるように。
三藤智子さん(75才)はこれから紹介する3つのストレッチを毎日続けたところ、ここまで開脚できるほどやわらかくなって冷え症も改善した。
ひざ裏をのばすだけで、100才まで元気に生きられる体を作れるのだ。道具が不要なのも長続きしやすいポイント。気軽にトライしてほしい。
万病に効果アリ!? ひざ裏のばし3ポーズレッスン
【共通POINT】
【1】呼吸
このストレッチをする時の呼吸の基本は、「吸う時に、お腹を引っ込め、吐く時にお腹をゆるめる」こと。これにより、横隔膜が動き、お腹全体の筋肉が鍛えられる。また、吸うよりも吐くことを意識し、息はすべて吐き切ることが大切だ。
【2】入浴後に行う
ひざ裏のばしストレッチを行うタイミングは、入浴後がベスト。体が温まってやわらかく、リラックスした状態で行った方が、筋肉がのびやすいからだ。”入浴後にひざ裏をのばす”という習慣をつけてしまおう。ただし、すべりやすい浴室内で行うのはNG。
【3】無理は禁物
ひざ裏は、しっかりのばすことが大切だが、無理をすると痛めてしまう可能性も。手本の通りにできなくてもいい。大切なのは”気持ちいい”と感じるまでのばし、それを毎日行うこと。続けていけば、少しずつ体がやわらかくなるので、焦らず毎日行うこと。
ポーズ1:壁ドンストレッチ
ひざ裏全体をのばせる基本のストレッチ。両手で壁を押すため、肩、背中、お腹、体幹に力が入る。ぽっこりお腹が引っ込み、血流がよくなって内臓機能も活性化。「時間がない時や体がきつい時は、このストレッチ1つだけでいいので続けてみましょう」。脚の前後を入れ替え、左右各1回ずつ行おう。
【1】壁の前に立つ
壁の前に姿勢を正して立つ。背筋はまっすぐにする。
【2】両手を壁につき、脚を前後に開く
脚を前後に開き、後ろ脚のひざ裏をのばし、前脚のひざは曲げる。両手を肩の高さでのばして壁につけ、息を吸う。【3】壁を5回押す
視線を正面にし、「1、2、3、4、5」と壁を押しながら息を少しずつ吐く。この時、お腹とお尻に力を入れ、背筋をのばして腰は壁側に入れるように。
【4】5秒キープ
両手をのばして壁を押し、かかとは強く床を踏みしめ、5秒かけて息を吐き切る。脚の前後を入れ替えて同様に。
両手をのばして壁を押し、かかとは強く床を踏みしめ、5秒かけて息を吐き切る。脚の前後を入れ替えて同様に。
●POINT
・かかとは床につけて!
後ろ脚のひざは曲げず、かかとは床から離さない。
・手は肩幅に開き、指先はパー
両手の高さは、肩と同じ位置にし、肩幅に開く。
●NG
・腰を反らせてはダメ!
大切なのは壁を押すことより、ひざをのばすこと。背中を丸めたり、腰を反らせないこと。
ポーズ2:壁ピタドローイン
かかと、腰、背中の3点が一直線になるような正しい姿勢のまま、壁に体をつけると、ひざ裏がしっかりのびる。体幹の筋肉も鍛えられダイエット効果も。
【1】壁に、かかと→腰→背中の3点をつけて立つ
壁を背にし、かかと・腰・背中の3点と、手のひらをつけて立ったら息を吐く。
●POINT
・背中と壁の間を空けない
壁と腰のすき間が大きいほど、骨盤が傾いている。すき間を作らないように下腹部に力を入れる。
・”丹田”を意識して!
へその下の”丹田”を意識して壁に押しつけると、体幹が鍛えられる。
・つま先を90度開きひざをくっつける
両ひざの内側に力を入れながらひざをくっつけると、ひざ裏がしっかりのび、ももの内側の筋肉も鍛えられる。
●NG
・あごを上げて後頭部をつけてはダメ!
3点を無理に壁につけようと姿勢を崩してはダメ。かかとがつかないなら半歩前に。きつい時は後頭部は離してもOK。
【2】手のひらをひっくり返し、息を吸って5秒キープ
息を吸いながら手のひらを返し、手の甲を壁につける。肩を開くよう意識してお腹をへこませたまま5秒キープ。1~2を1日1回行う。
ポーズ3:ワン・ツー・スリー体操
骨盤を支える筋肉を鍛え、下半身を強化するため、ひざ裏のばしに役立つ。体をたたくことでアドレナリンが出て脳が活性化。認知症予防にも。
【1】脚を大きく開く
両脚を左右に開いて立ち、つま先は45度外側に向ける。ゆっくりと大きく息を吸い込む。
●POINT
・尾てい骨を意識する
尾てい骨をまっすぐ上下させるつもりで行うと体が傾きにくい。始める前に尾てい骨の場所を意識しよう。
【2】ゆっくりと腰を下げる
息を吐きながら、ゆっくりと腰を下げていく。腰とお腹に力を入れ、頭と背筋はまっすぐに、視線は正面。
●POINT
・ひざが痛い人は浅くてもOK
ひざに負担がかかるので、痛い人は気持ちいい所までにして。無理は禁物。
・深く腰を落とす
腰を落とすほど、体幹が鍛えられるので、できる人はなるべく腰を下げ、つま先を外に開こう。
【3】「ワン・ツー・スリー」の声に合わせ、太ももを3回たたく
息を吐き切ったら止め、「ワン・ツー・スリー」と言いながら、太ももを3回たたく。
【4】ゆっくり立ち上がり、「ワン・ツー・スリー」の声に合わせ、お尻を3回たたく
立ち上がりながら息を吸い、「ワン・ツー・スリー」と言いながら、お尻を3回たたく。1~4を3回繰り返す。
●POINT
・リズミカルにお尻をたたいて!
お尻や太ももの筋肉(大腿四頭筋)を刺激すると闘争心を高めるホルモンが出てけがをしにくくなる。
教えてくれたのはこの人
かわむらクリニック 川村 明さん(63才/ 医学博士、東洋医学会専門医、障がい者スポーツドクター、J-YOGA公認インストラクター。主な著書に『5秒ひざ裏のばしですべて解決』(主婦の友社)。12月に『のばすだけで、体がよみがえる ひざ裏のばし ボール&タオル』(主婦の友社)を発売予定。
撮影/高橋進
※女性セブン2018年11月8日号
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