「血糖値スパイク」(食後高血糖)は糖尿病の“始まりのサイン”? 日本人の5人に1人がなる国民病を防ぐには【糖尿病専門医監修】
糖尿病治療が進化する一方で、糖尿病患者への偏見という、意外な落とし穴に苦しめられることもあるという。
「糖尿病の発症には、遺伝的な要因などが絡むケースも多いのに、“甘い物の食べすぎ”や“ぜいたく病”といったイメージを持っている人がいまだに多く、いわれのない偏見や差別を受けています。これは、糖尿病患者にしかわからないことだと思います。私も高校入試の面接で病気のことを話すと、“食べすぎたんだろう”と言われるなどしてつらい思いをしました。住宅ローンを組むのも大変でしたね。患者さんの中にも、就職試験で落とされたり、生命保険になかなか入れてもらえなかったりと、社会的な制約や差別的な待遇を受けている人がいます。そういった偏見を受けたくなくて、糖尿病であることを隠し、治療を拒む人まで出てきています」
日本糖尿病学会や日本糖尿病協会は、こうした糖尿病患者への偏見・差別をなくす啓発活動を進めているという。
糖尿病は誰がなってもおかしくない。発症したとき、いわれのない偏見を受けないためにも、正しい知識を身につけ、予防することが大切なのだ。
教えてくれた人
市原由美江さん/糖尿病専門医。横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。11才で1型糖尿病の診断を受け、その経験を生かし糖尿病専門医に。主な著書に『血糖値を自力で下げるやり方大全』(フォレスト出版)。
取材・文/鳥居優美
※女性セブン2023年5月25日号
https://josei7.com/
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