【花粉症の対策】あるあるだけど間違っているものはどれ?正しい対策や最新治療法を専門医が解説
これら対策はすべて間違い。
【1】掃除機だと排気で花粉が舞い上がるので拭き掃除がよい。
【2】服をはたくと花粉が舞うので、粘着クリーナーで取る。
【3】市販の点鼻薬を使い過ぎると粘膜が腫れることも。
【4】水道水の塩素などで洗う際に目を傷めることも。目薬や人工涙液で流そう。
まさに日本の国民病! 2人に1人が発症!!
「花粉症は、花粉が原因で引き起こされるアレルギー疾患の総称です。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどで、いまや日本人の2人に1人近くは花粉症だといわれています」
とは、神鋼記念病院耳鼻咽喉科科長の浦長瀬昌宏さんだ。
発症年齢は低年齢化しており、これまで発症していなかった人も発症するなど、全年齢層で有病率が増えている。花粉が体内に入ると、どんなことが起こるのだろうか?
「体は異物が浸入したと判断。再び入ってきたときに備えて、花粉に対抗するための“IgE抗体”が作られます。再び花粉が入ってくると、このIgE抗体が、鼻や目の粘膜にある肥満細胞と結合し、ヒスタミンなどの化学物質を分泌させます。すると、くしゃみや鼻水が発生し、花粉を外に出そうとします。しかし、体内に侵入する花粉の量が多いと、IgE抗体が過剰に作られ、その結果、鼻水が止まらないなどの症状を招いてしまいます」(浦長瀬さん・以下同)
同じように鼻水が出る症状に風邪があるが、これはウイルスが鼻の粘膜に感染して生じる。一方、花粉症は花粉に対して人間の体が過剰に反応して起こるというわけだ。
「風邪の場合、鼻水はドロッとして発熱を伴う場合が多く、症状も1~2週間で落ち着く。花粉症は、発熱はないものの、水っぽい鼻水とくしゃみが花粉が飛んでいる間は続く、などの違いがあります」
花粉が入ると体内では…
【1】花粉が体内に侵入。IgE抗体が作られる。
【2】再び花粉が入ってくると、IgE抗体が鼻や目の粘膜などの肥満細胞に結合。
【3】IgE抗体と結合した肥満細胞がビタミンなどの化学物質を放出。
【4】くしゃみや鼻水が発生。花粉を外に出そうとする。