今が旬!”せり”が主役の「宮城・仙台せり鍋」レシピ 食感と野性的な香りがごちそう!
「冬になると仙台駅周辺の料理店では「せり鍋」と書かれた看板が多くなる」。と話してくれた三代目文治 日比谷本店の椿店長に、12~1月に最盛期を迎える仙台せりを使った「せり鍋」の作り方を教えてもらった。仙台名物のシメ方や味変の楽しみ方も教わったので、是非作ってみて欲しい。
力強いせりの旨みが冬の到来を知らせる
水が清涼で寒さの厳しい宮城は、“仙台せり”の名産地。12~1月に最盛期を迎え、「いまがもっともおいしい」と、三代目文治 日比谷本店・店長の椿耕太さん。
「冬になると仙台駅周辺の料理店では、『せり鍋、始めました』という看板が目立つようになります。せりは寒くなると太くなって弾力が増し、香りが一段と強くなるので、鍋でシンプルに食べるのがいちばん。特に根がおいしいので、食感や香りまで余すところなく楽しんでください」
「せり鍋」の作り方
主役はせり! シャキシャキした食感と野性的な香りがごちそう
しょうゆベースのつゆに鶏肉でだしを取り、具材はせりだけという潔さ。加熱しすぎるとせりの風味が飛ぶので、根は1分、葉は30秒ほど火を通したくらいが食べ頃。
【材料】
せり…2束
鶏もも肉…200g
A:水…2カップ しょうゆ・みりん・酒…各大さじ1 塩…小さじ1/2 和風だし(顆粒)…少量
<ご当地食材>
「仙台せり」は冬の名物として地元で親しまれる。根まで丸ごと食すのが郷土の食べ方。
「店では宮城県産限定で毎日30束使います」(椿さん)。
【作り方】
【1】せりは根の部分を流水でよく洗い、土を落とす。根は捨てずに切り落とし、葉は食べやすく切る。
【2】鶏もも肉はひと口大に切る。
【3】鍋にAを入れて火にかけ、沸騰したら【2】を入れる。鶏肉に火が通ったらせりの根、葉の順でさっと火を通して食べる(加熱時間は根が1分、葉は30秒が目安)。
★おいしく作るPOINT
根はたわしで叩きながら流水で洗い、土をしっかり除く。「家庭では歯ブラシを使うのがおすすめ」(椿さん)。
風味が飛ぶので、根も煮過ぎないこと。さっと火を通し、根→葉の順で食べ進める。つゆにもせりの風味が残り、シメまで美味。
とろろでふんわり 柑橘でさっぱりと味変
せりのシャキッとした食感を、ふわふわのとろろが包み込み、その対比を味わえる。レモンやすだちなど柑橘類を搾れば一気に爽快に。
とろろで味変
柑橘類で味変
シメはそばから雑炊の2段締め!
最後の一滴まで飲み干す これぞ「仙台二段締め」
余ったスープを無駄にせず、麺もご飯も楽しみたいという欲張りな願いを叶えてくれるのが「仙台二段締め」。まずはそば(うどんでも可)、次は雑炊と2つの味を堪能できる。
<1回目はそば>
<2回目はご飯>
教えてくれた人
椿耕太さん/三代目文治 日比谷本店・店長
【DATA】住所:東京都千代田区有楽町1-6-3 日比谷頴川ビルB1F
撮影/田中宏幸 取材・文/岸綾香
※女性セブン2023年1月5・12日号
https://josei7.com/
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