ぐっすり眠るために必要な5つの習慣「朝のバナナが夜の快眠を作る」理由を専門医が解説
夕食で気をつけるべきはそのタイミングだ。
「就寝の3時間前には食事を終えておくようにしてください。食事を摂ってから胃腸の働きが一段落するまでに、3時間はかかります。特に肉類や揚げ物のような脂肪分の多い食事は消化に時間がかかるため、昼食として食べるか、量を少なめにするのがベター。残業や夜勤などで帰宅時間が遅く、就寝3時間以内に夕食を摂ることが難しい場合は、夜7時頃に間食をはさみ、夕食はスープなど消化のよい軽めの食事にしておくなど、工夫してみてください」(坪田さん)
夕方以降に控えるべきは脂肪分の多い食事だけではない。あきこクリニック院長の田中亜希子さんが注意を促すのはコーヒーなどカフェインを多く含む飲料の摂取だ。
「眠気は、体内において『アデノシン』と呼ばれる成分の働きによって覚醒作用のある神経伝達物質である『ヒスタミン』の放出が抑えられることで引き起こされます。ところがカフェインはアデノシンの働きを阻害する特性を持っているため、脳の覚醒を促してくれる一方でスムーズな入眠を妨げてしまう」
カフェインの効能持続時間は個人差が大きいものの、血中濃度は摂取後30分~2時間ほどで最大になるため、少なくとも夕食後のコーヒーは避けた方がいいだろう。
睡眠を妨害する成分を遠ざけて夕食を済ませたら、速やかに入浴して寝床に入ろう。
「湯船につかることで上がった深部体温を下げるため、入浴は最低でも睡眠30分前には済ませておいてほしい。理想は1時間から90分。体温が上がったままではうまく眠れません。忙しくて時間がないときは入浴せず、シャワーだけで済ませてください」(角谷さん)
「快眠力」を上げるポイント5つ
●体内時計を整える
不規則な生活は「時差ボケ」のような状態を作り出し、睡眠の質を下げる。
●太陽光を浴びる
メラトニンのもとになるセロトニンは、太陽の光によって分泌が増える。
●夕食は就寝3時間前までに
胃の消化吸収には3時間かかる。揚げ物など脂質の多いものは特に時間を要するため、なるべく夜食べるのは避ける。
●夕方以降はカフェイン禁止
眠気を誘発する成分を抑制してしまう。
●入浴は睡眠30分前までに
体温が上がったままでは入眠できない。時間がない夜はシャワーで済ませるべし。
教えてくれた人
雨晴クリニックの院長・坪田聡さん、秋葉原駅クリニックの医師・佐々木欧さん、阪野クリニックの医師・阪野勝久さん、田中病院の院長・田中優子さん、あきこクリニックの院長・田中亜希子さん
※女性セブン2022年10月27日号
https://josei7.com/
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