ぐっすり眠るために必要な5つの習慣「朝のバナナが夜の快眠を作る」理由を専門医が解説
いい睡眠には2つの成分が必要不可欠だと話すのは、秋葉原駅クリニックの医師・佐々木欧さんだ。
「夜に脳内で生成される『メラトニン』と、アミノ酸のひとつである『GABA(ギャバ)』です。メラトニンはホルモンの一種で、体内時計を調整して睡眠と覚醒のサイクルをスムーズにする役割がある。GABAには脳の興奮を抑えてリラックスさせることで、入眠を促す効果があります」
通称“睡眠ホルモン”とも呼ばれるメラトニンは、脳内の神経伝達物質の「セロトニン」を原料として分泌される。
「セロトニンの合成に不可欠なものが、必須アミノ酸の『トリプトファン』。これは体内では生成することができず、食事によって取り入れることがマストです。快眠のためには含有する食べ物を積極的に選ぶことが必要です」(阪野クリニックの阪野勝久さん)
そんなトリプトファンを含むのは、バナナや納豆、乳製品などだ。
朝のルーティンで整える
トリプトファンを含む食品をしっかり摂って快眠を促す食卓を作ってほしい。
「ただし“ばっかり食べ”には気をつけてほしい。たとえばトリプトファンの摂りすぎはかえって睡眠の妨げになります。さまざまな栄養素をバランスよく取り入れることを意識してほしい」(阪野さん)
バランスのいい食生活とともに取り組みたいのは、体内時計を整えること。
田中病院院長の田中優子さんが解説する。
「人類には『サーカディアンリズム』と呼ばれる、地球の自転による24時間周期の昼夜変化に体内環境を合わせようとする生理機能があります。快眠を得るためにはそのリズムを理解し、大きく逸れないような規則正しい生活を心がけることも大切。海外旅行中に“時差ボケ”で体調を崩したり頭がぼんやりしたりするのも、このリズムが崩れたことが理由だとされています」
阪野さんは、とりわけ「午前中の行動」がポイントだと話す。
「朝ご飯でしっかりトリプトファンを含むものを食べ、日光を浴びることを習慣づけてほしい。そのためにも特に朝食は三日坊主にならないような、無理なく続けられる“安い・早い・うまい”が揃ったメニューを心がけて」