猫が母になつきません 第321話「はちのす」
今年、生まれて初めて蜂に刺されました。家の門扉を閉めようとした時にふと目を上げたら大きな蜂がいて、一瞬お互いに真正面から見つめ合うかたちになって、私はすっと逃げたんですけど蜂は追いかけてきて首のうしろをちくっ! すごく腫れて、治るのに何日もかかり、いまでも刺された跡が消えないほどです。母も刺されましたがアレルギー反応が鈍くなっているせいか、ほとんど腫れませんでした。それ以来蜂には注意していたのですが、巣ができつつあることには全く気づかず。大きな巣を発見してすぐに駆除のプロを手配しました。白い全身防護服を着て、薬剤を巣に注入して蜂がおとなしくなったところで巣ごと軒下から剥がし、ビニール袋に回収。あっという間でした。「出かけていた蜂が戻ってくるから気をつけて」と言われましたが、凶暴なスズメバチでも帰ってきたら家がなくなっていたなんて気の毒だな、と思いました。もし同じ場所にまた蜂が巣を作ったら、無料で駆除に来てくれるそう。蜂の巣にアフターサービスがあったとはびっくりです。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。