兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第148回 兄、はじめての予期せぬひとりでおでかけ PART3】
突然、黙って外出し、行方がわからなくなった兄は若年性認知症。警察に捜索願を提出したものの、一晩経っても見つからず、妹でライターのツガエマナミコさんの心配は募ります。いったい兄は何処へ…。
自宅から30kmほど離れた県外で見つかりました
兄の捜索願を出した翌朝8時前に警察署からお電話があり「一生懸命探していますが、現段階でお兄さんに該当する人は残念ながら見つかっていません」と報告を受け、その辺りから少し不安になってきました。それまでは、「夜には帰るだろう」「朝方には見つかるだろう」と希望を持っていたので余裕があったのです。
「水は飲んでいるだろうか」「何か食べているだろうか」と思うと、さすがのわたくしも食事をする気になれず、ありあまる時間に仕事をしようとしても、結局まるで手に付きません。テレビも見ていられず、お気に入りのユーチューブチャンネルもなんだかおもしろくなくて、リビングの雑巾がけなどをして過ごしました。
普段「いなければいいのに」と思っている兄ですのに、行方不明になるとこんな状態になる自分が不思議でした。シンプルな心配と「まったくもう!」という苛立ちが同