何才からでも“チャレンジする気持ち”が明るい未来を拓く|夢を実現した人の体験談2選
「生きているうちで、今が一番若いとき」とは、よく言われること。50、60才になっても、何才からでも“チャレンジする気持ち”を持っていたいもの。やりたいことを諦めて後悔するよりも、今すぐやりたいことや夢に向かって取り組んでみませんか。夢を実現した2人の体験談を紹介します。読むだけでも元気がもらえますよ!
美容皮膚科医 田中優子さん(70) 女性的な魅力を引き出すダンスを学びたい
70才という年齢を感じさせない透き通った白肌の美容皮膚科医・田中優子さん(70)は、50才のとき、年を重ねた自分を想像して、美しく健康であり続けるためには、足腰を鍛えていつまでも自分の足で歩ける体をキープすることが大切だと考えた。
「鏡の中の自分の姿を見て、医師になってからは仕事に追われて運動らしきものをまったくしていなかったことに気がついたんです。このままではいけない。何か体を鍛えることをしないと、歩けなくなってしまうと焦りました。でも、ジョギングやジムでの筋トレなどは相当頑張らないと続けられそうもない。つらくてきついエクササイズなんて、もっと無理!」(田中さん・以下同)
そんなときに偶然、新聞の折り込みチラシで、カルチャーセンターのフラメンコ教室の生徒募集に目がとまる。
「初心者歓迎とあったので見学に行ったところ、思いのほか年配の生徒が多かったので、その日のうちに思い切って入会しました。昔からスペインが好きでフラメンコライブをよく見に行っていたので下手でも楽しくできればいいと思って気楽に始めたのですが、気づいたら20年近く続いていますから、『好き』って大事ですよね。それ以来、足腰の衰えを感じることはまったくなく、いまでも10cmヒールを履きこなしています」
ダンスは運動と違い、魅力的な衣装や感性に働きかける音楽に合わせて踊るため、上達しなくてもその空間を楽しむことができるのも魅力的。
中近東のリズムも好きで、ベリーダンスも習い始めた。フラメンコが基礎にあるため少し振り付けをしただけで、それらしい感じに踊れてうれしかったという。女性らしい衣装もお気に入りの理由だ。
「無機質で単調なトレーニングより、ダンスは楽しさの方が強い。いまはコロナで教室がお休みですが、再開されたら、また行くつもりです」
◆美容皮膚科医 田中優子さん
長期療養病床のある田中病院(三重県亀山市)院長。著書に『女医が教える老化を止める美肌術』(扶桑社)がある。
日本語教師 川崎多鶴子さん(53)20代の夢だった「海外暮らし」と「日本語教師」を実現したい
福島の病院で准職員として働いていたが、2020年4月、51才でパート契約に切り替わることになったという川崎多鶴子さん(53)。それを機に、その後の人生を考える中で思い出したのが、20代の頃に志していた「日本語教師」になる夢だった。
「このまま同じ仕事を続けても先が見えている。それなら、一度は諦めた日本語教師をもう一度目指してみたいと思うようになりました。そんなある日、地元に『インターカルト日本語学校・日本語教員養成研究所福島サテライト』があるのを発見。このタイミングで出合うのは、新しい環境に進めと背中を押されている気分になり、挑戦を決意しました」(川崎さん・以下同)
それまでひとり暮らしをしていたマンションを引き払って実家に戻り、52才になった2020年10月から勉強を開始。6か月で432時間の勉強を経て、2021年3月に卒業。夏にはインドネシアの日本語学校で2週間の代理教員を経験し、現在は同校と郡山市の学校で非常勤講師をしている。
「コロナの影響で教員募集は少ない中、リモート授業からのスタートでしたが、スロースタートで学びながら経験が積めて、とてもよかったと思っています。海外交流が解禁されれば忙しくなると思うので、いまのうちに実力をつけておきたいと思っています。将来は海外で生活したいという夢があるので、そちらの方も実現できればうれしいです。希望はヨーロッパですが、日本語教師の需要がある、東南アジアが現実的かな」
いつかやろうと思って忘れてしまうことも多いが、思い出して飛び込んでみると、道が開けることもあるようだ。
■インターカルト日本語学校・日本語教員養成研究所 HP:incul.com/
取材・文/山下和恵 取材/廉屋友美乃
※女性セブン2022年3月24日号
https://josei7.com/
●「60才からの思春期」の愉しみ方|60~74才の15年はやりたいことに取り組める最後のチャンス