血圧高めってどのくらい? 高血圧の基準や原因・正しい血圧計の選び方【医師監修】
記者は40代から8㎏太り、50代半ばから血圧が高くなってきた。食事の量は昔とそう変わっていない気もするのだが、忙しさにかまけて外食が増えていた。
そもそも高血圧になる要因は何だろうか?
「血圧は、(体液の量)×(血管の硬さ)で決まります。従って、食塩を過剰に摂取した場合、体内の塩分濃度を一定にするために、のどが渇いて水分を補給しようとします。その結果、体液量が増加して心臓から拍出される血液の量が増え、血圧が上昇します。
また、遺伝的な素因や、加齢に伴う動脈硬化などで血管が硬くなることも血圧が上昇する一因となります。肥満は体液量の増加に加えて様々なホルモンの影響により高血圧を起こしやすくなります。
外食は家庭で作る食事より、塩分が多く含まれていることが多いので要注意です。カップ麺などにも気をつけましょう」
たしかに、記者は終日、よくのどが渇き水を飲んでいる。「乾燥しているから?」と思っていたが、塩分が要因なのかもしれない。
塩分の摂り過ぎは意識したことがなかったが、改めて気をつけなくては…。
高血圧が引き起こす病気「介護の要因にも」
「高血圧により動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞、心不全など心臓の疾患につながりやすくなります。また、脳梗塞などの脳血管疾患や認知症のリスクも高まります」
要介護5(ほぼ寝たきりの状態)の原因の多くは、脳卒中、認知症、心臓病など、高血圧に関係する疾患とのこと。
2019年国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、介護が必要になった原因(介護度別)は、「要支援者1・2」では「関節疾患」、「要介護1〜3」では「認知症」がもっとも多いが、要介護度が進み「要介護4・5」となると、「脳血管疾患」(脳卒中)が1位となっている。
「高血圧の管理を怠ると健康的で楽しい老後の生活が損なわれる危険性があります」と、土橋さんは警鐘を鳴らす。
高血圧予防のためには、「減塩食にする」などの食事管理も大切だが、まずは「血圧を測って記録し、自分の体の状態を知る」ことが重要という。
血圧は毎日測るべき?
病院や健康診断でしか血圧を測らない人も多い。記者も計測をすすめられたが、たまにしか測れていない。実際、家庭でも血圧を毎日測ったほうがいいのだろうか?
「朝の2回の計測で上の平均値が135以上 になったら注意が必要です。服薬をしていない方では、服薬を開始した方がいいかどうか、服薬している方では服薬の量や飲む時間について医師に相談してください。
また、日ごろから減塩や体重管理に 気をつけ、血圧を測定しておくといいでしょう」
やはり自宅でも血圧測定を習慣にしたほうがよさそうだ。