血圧高めってどのくらい? 高血圧の基準や原因・正しい血圧計の選び方【医師監修】
「家庭で血圧を測るには、朝と就寝前にそれぞれ2回、イスに座った姿勢で測定し、それぞれの平均値を出してください。朝は起きて排尿をすませた後で、かつ朝食を摂る前のタイミングで測ってください※。
特に朝の血圧が高いことが脳卒中や心臓病のリスクとなることがわかっていますので、朝の測定はもっとも重要です。測定値はすべて記録し、診療の際などに医師に見せるといいでしょう」
※服薬している場合は服薬の前。
・血圧を正しく測るポイント3つ
1.冬の寒い時期には、起床後、部屋を暖かくしてから測定すること。
2.毎日、朝晩2回ずつ測定し記録する。
3.薄手のシャツ程度の状態で測定する。
なお、血圧が安定している人でも週に3~5日の測定をしたほうがいいとのこと。
「血圧は常に変動しています。『測る度に違う値が出る』とよくいわれますが、1日に何回も測定する必要はありません。朝晩2回測定で十分です。
それ以外の時間帯で、例えば『頭が重い』、『めまいがする』、『ふらつきがある』などの症状があれば、そのときに測定して医師の相談することも治療の参考となります」
家庭で血圧を測るときの血圧計の選び方
家庭で血圧を測る場合、どのような血圧計がいいのだろうか?
「市販のものでかまいません。手首で測定する血圧計は、腕をまくる必要がなく、持ち運びにも便利ですが、測定時の手首の高さや角度などで値が変わりやすいので、上腕で測定する血圧計をおすすめします。
厚いセーターやパジャマなどを着ている場合は、薄手のシャツ程度の状態にして測定してください。極端に腕の周りが太い方や細い方では、通常のカフ(腕帯)では正しく測定できない場合がありますので、医師に相談してください」
母が使っているのは手首測定タイプの血圧計だったので、上腕測定タイプの血圧計の購入をさっそく検討したい。
日本人の約3人に1人は高血圧といわれ、高齢化社会でさらに増加傾向という。60代になったばかりの記者だが、母の介護もしかり、自分の健康管理のために、日ごろから血圧管理に努めていきたい。
※高血圧の症状、疾患については個人差があります。予防・治療法については、かかりつけ医などの医療機関へご相談ください。
教えてくれた人
社会医療法人製鉄記念八幡病院 理事長・土橋卓也さん
1980年、九州大学医学部卒業、同第二内科入局。米国クリーブランドクリニック研究員、九州大学総合診療部助教授、国立病院機構九州医療センター高血圧内科科長などを歴任し、2015年より現職。日本高血圧協会理事、高血圧治療ガイドライン(2019)作成委員。テレビ番組への出演や執筆活動など で「高血圧予防の推進」に努めている。
取材・文/本上夕貴
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