精神科医Tomyの元気の出る金言【第19回 “いい人”をやめる2つのコツ】
いい人をやめるコツは
期待させない・白黒つけない
このふたつがおすすめ。
家庭内でも同じなの。
* * *
「期待させない」「白黒つけない」
おはようございます。精神科医のTomyです。木枯らしが冷たい季節になったわね。心まで冷えないように、適度に自分を甘やかしながら一週間を過ごしましょうね。
今日は、家庭内で「いい人」をやめる方法について考えてみます。
“コロナ離婚”なる言葉があるくらいだから、パートナーへの不満が溜まっている人が多いかしら? 多世帯で住んでいる場合も、些細な用事が「いい人」である私に回ってきてモヤモヤしたりね。例えばみんながテレワークで、「トイレットペーパーを切らしても、まわりが絶対替えない」などかしら。
トイレの紙から始まって、「ここ片付けておいて」「これしまっておいて」などの、名も無き役割を、あなたがいつもやってあげてるとしたら。まわりは甘える一方ですよ。そこで、家庭内で「いい人」をやめる方法を考えてみたの。
【1】期待させないこと
【2】白黒つけないこと
このふたつでいいんじゃないかしら。何より、「期待させないこと」が大事です。
「どうして私がやらなきゃいけないの?」ってストレスに感じているなら、やってあげないこと。毎回やらないでいれば期待されなくなります。それでいいのよ。
「白黒つけないこと」っていうのは、YESもNOも言わず、黙って放っておくことよ。無視するというより、甘えには甘えで返すという作戦ね。「どうしてやってくれないの?」と相手が突っかかってきたら、「やりたくないよ。自分でやってほしいな」と言えばいいんです。
子供が大きくなっていたり家族みんなが忙しいと、シェアハウスのようにみんなが気ままに暮らす家庭もあるみたいですね。ご飯を作る役割はなく、各自が自分の食べたいものを調達して、洗濯や掃除も自分のことは自分でするの。お世話の必要な家族がいる場合も、周りの家族が自立していれば、みんなでお世話の役割分担をしやすくなりそうですね。注意点は、冷蔵庫の中身は名前を書いて、間違って食べてしまわないように気をつけることかしらね(笑い)。
では、ソリの合わないきょうだいや近い親類、親族に対して、「いい人」をやめるにはどうしましょう。基本、連絡を取らずに距離を置いているわよね。それでいいの。電話は取らずに留守電を聞くのみ。メール、LINEも読むけど返さない。仕事での「つながらない権利」が議論されていますが、身内ともつながらなければ平和だと思います。
用事を引き受けてあげちゃう「いい人」は、家庭内でも、「都合よく使える便利な人」になってしまっているの。やってもらえると期待させないで、白黒つけずに放っておくのも、穏便に済ませる選択肢です。自分をいたわるために、甘えには甘えで返しましょうよ。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、25万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。近著に『もう、“言わずに我慢”なんてしなくていい! 精神科医Tomyの 言いたいことがラクに伝わる35の方法』(大和出版)、『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
取材・文/永田玲香