精神科医Tomyの元気の出る金言【第18回 以前より不安になりやすいと思ったら】
年を重ねて、
不安になりやすくなった?
頭がおヒマになっちゃうと
色々考えがちなので
やることを増やしましょ。
* * *
筋トレ、してみませんか?
おはようございます。精神科医のTomyです。すっかり寒くなってブルブル震えちゃうわね。暖かくして、風邪をひかないようにしましょうね。
さて今日は、何かにつけて不安になりやすい人について。
「病気になるかもしれない」「やがて自分で自分のことができなくなるかもしれない」。そういったぼんやりした不安を誰しも抱えているでしょう。でも、家族が高齢になり、以前よりも不安を口にするとしたら、その原因はなんだと思いますか。
頭がおヒマになってるせいじゃないかしら?
言い方が悪くてごめんなさいね。ボーッとできる時間が長いと、どうでもいいことに意識が行きやすくなるのです。漠然とした不安なんてずっとあるもの。これまでは無視できていたはずなので、意識してやることを増やし、ヒマを追い出してください。年齢に関わらず、現役世代も同じです。
少し時間があったら、どんなヒマつぶしをしますか? 個人的には筋トレをおすすめするわ。効果が目に見えるから楽しいし、何より筋肉がつけば怪我を防げます。健康に近づくことこそ不安を取り除くのに有効よ。
例えば、椅子に座って脚を上げるのを1日おきに行うだけでもいいのです。だんだん増やして、1回に3分間ぐらいできるようにしてみてください。「それだけ?」って思うかもしれないですが、現役世代でも運動不足だと脚がブルブルしちゃって、最初はきついかもしれませんよ。もっとできる人はジムへ行ってもいいし、100円ショップや家にあるものを活用してもいいですね。
筋トレで秒数や数をカウントしていると、頭を真っ白にしやすいみたい。考えすぎな脳が休まってリフレッシュできる気がしています。アテクシは筋トレが趣味なのですが、やめられなくなるんですよ。「せっかく手入れをした盆栽が荒れちゃう! もったいない!」みたいな気持ちで続けています(笑い)。
ストレッチをして、体を柔らかくするとさらに怪我の予防になります。アテクシ、すごく体が硬くてね。ある日、調子に乗って大きくジャンプしたら、脚が痛くなっちゃったの。ずっと若い気でいたけれど、「これは今後、怪我をしやすくなるわ」と思って、寝る前にストレッチヨガを始めました。股関節が柔らかくなってきて、歩くのも快適です(持病のある人は運動を行う前に医師に相談してくださいね。ひざなどが痛い人は、無理のない範囲で行ってください)。
そうそう、食事が大切なので、体を動かしたら、筋肉の材料となるタンパク質を摂りましょう。肉、魚、大豆製品などです。豆腐なんてどう? 豆腐メンタルなんて言葉があるようですが、豆腐を食べて撃退してやりましょう。
運動ができない状況の人は、創作なんてどうかしら。ちょっと恥ずかしいけど、アテクシはポエムが好きなの。リズムがあって読むのも書くのもハマるわね。詩や俳句などを作り、ブログなどで発表してみてもいいかもしれません。
心の健康のために、頭をおヒマにしすぎない方がいいと思います。筋トレでも、詩や俳句などを作るのでも、なんでもいいのです。思い立ったら吉日なので、早速始めて、漠然とした不安を寄せ付けない心を保ちましょう。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、25万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
『もう、“言わずに我慢”なんてしなくていい! 精神科医Tomyの 言いたいことがラクに伝わる35の方法』(大和出版)
『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)
取材・文/永田玲香