日常生活を筋トレにする裏技5選 洗面所で「どすこい洗顔」お風呂で「脚パカ湯もみ」
「人間は、筋肉から衰えていく動物であり、衰えるのも、甦(よみがえ)るのも、元気に長生きできるかどうかのカギも、筋肉が握っている」と語るのは、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授の久野譜也さんだ。しかし、運動も筋トレも苦手な人はどうすればいいのだろうか? そんな人におすすめなのがいつもの“姿勢”が筋トレになる「チリつも運動」。一体どんな運動なのか見てみよう。
【洗面所】でチリつも運動
朝晩の洗顔や歯磨きの時間は、下半身の強化に最適。いつもの動作をするときに、腰を落としたり、つま先立ち姿勢で行うことで筋肉にアプローチできる。筋トレを意識しすぎるあまり、手元がおろそかにならないように注意しよう。
■どすこい洗顔【お尻・太もも】
洗顔料を泡立てたら、両足を大きく広げて立ち、ひざをつま先と同じ方向に向けて曲げた状態で顔全体に泡を広げる。ひざが外側に開くと、ひざに負担がかかるので、ひざを締めるよう意識しよう。
■つま先立ち歯磨き 【ふくらはぎ】
歯磨きは、ふくらはぎの強化とともに行おう。足を肩幅に開いて立ち、お腹に力を入れてつま先立ちをしながら歯を磨けば、ふくらはぎが鍛えられ、血行もよくなる。歯ブラシを持っていない方の手は、洗面台や壁に軽く手をつくと姿勢が安定する。また、かかとを下ろすときはストンと床に落として、骨に刺激を与えよう。
【トイレ】でチリつも運動
毎日数回、必ず腰を下ろすトイレは、人目を気にせず、思う存分筋トレができる格好の場所。どんな狭小トイレでもできる、足閉じスクワットを紹介しよう。
■足閉じスクワット【お尻・太もも】
用を足して便座から立つとき、忘れずに行いたいのがこれ。スクワットが苦手な人でも、太ももとお尻の筋肉が鍛えられ、正しい立ち方も身につく優れものだ。
【1】足をそろえて便座に浅く腰かけ、つま先、ひざを前に向け、背すじを伸ばす。
【2】かかとが浮く手前まで両足を引き寄せ、上体を前傾させて両手でふくらはぎをはさむ。
【3】ひざを閉じたままの状態で、息を吐きながら立ち上がり、息を吸いながらゆっくり腰を落とし、【1】~【3】を繰り返す。
【風呂】でチリつも運動
お風呂にゆったりとつかる至福のひととき。体も心も温まったら1~2分の筋トレをしてみよう。水の抵抗が利用できるので、簡単な動きを短時間するだけで効果が得られやすい。
■手桶de湯もみ【二の腕】
湯船につかった状態で、手桶の底を上にして片手で湯船に押し入れ、裏に返して片手で引き上げる。反対の手も同様に。負荷を高めるためにはお湯をたっぷり張って、手を大きく動かせるようにすること。これで、たるんだ二の腕の前と後ろが鍛えられる。
■脚パカ湯もみ【お尻・内もも】
湯船につかって両手を後ろにつき、両ひざを思いっきり開いたり閉じたりを繰り返す。これでお尻の横と内ももが鍛えられ、美脚になるはず。差し湯をするたびに行えば、湯もみと筋トレができて一石二鳥だ。
教えてくれた人
久野譜也さん/筑波大学大学院人間総合科学研究科・教授、坂詰真二さん/スポーツ&サイエンス代表
取材・文/山下和恵 イラスト/斉藤ヨーコ、カツヤマケイコ
※女性セブン2021年9月16日
https://josei7.com/
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