この漢字の読み方は「ムムム」ではありません!む…むむ難しい!?不思議な漢字クイズ3選
いちばん古い漢字は紀元前1500年頃(殷(いん)の時代)のもの。現代において、日常的に使う漢字はその3000字ほどだが、『ながめて楽しい 漢字5万字』は、その18倍もの文字数が掲載されている。その中から、「ムムム…」と唸ってしまうユニークな漢字を紹介する。さて、何て読むでしょう?
ムが仲よく並んで…「ムフフ」ではありません!
「リン」と読み、「隣」の古字。もともとは、隣のへんとつくりが左右逆になった「鄰」という字だった。
「ム」のピラミッド!? 「ムムム」と唸る難しさ
音読みは「ルイ」。この漢字を構成している「ム」は「土の塊」を表し、壁を作るために土を積み重ねたものをかたどっている。「重なり積もる」という意味の「累積」の累と同音。
合計で4つも…「ム」とは読みません
音読みは「ユウ」。「幽」に同じ。幽ははっきりしないことを表し、「かすか」「暗い」「ひっそりしている」といった意味。
現在でも「幽か」と書いて「かすか」と読み、薄暗くて見えないというイメージは幽霊にも通ずる。
糸の束をかたどった字で、その変形。この部分に注目すると、ムが4つ上下左右に並んでいるように見える。
漢字の変遷・豆知識
いちばん古い漢字は紀元前1500年頃(殷(いん)の時代)のもので、占った吉凶を亀の甲や獣の骨などに彫りつけた「契文(けいぶん)(甲骨文字)」だといわれる。
その後、祭祀用の青銅器に記された「金文(きんぶん)(鐘鼎(しようてい)文字)」、それを複雑化した「籀文(ちゆうぶん)(大篆(だいてん))」などを経て、約1600年前に「楷書(かいしょ)」が登場する。楷書は一画一画を続けず崩さずに書く字体で、私たちがいま印刷物などで目にする多くがこれである。
教えてくれた人
大修館書店・池田菜穂子さん/『ながめて楽しい 漢字5万字』の担当編集者
監修・漢字解説
笹原宏之さん/早稲田大学社会科学総合学術院教授。文化庁文化審議会国語分科会で常用漢字の選定・改定作業に携わる。『日本の漢字』(岩波新書)、『謎の漢字-由来と変遷を調べてみれば』(中公新書)、『漢字は生きている クイズ120問』(東京新聞)など著書多数。
取材・文/藤岡加奈子 写真/GettyImages
※女性セブン2021年4月15日号
https://josei7.com/
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