おうちで人間ドック…10分でがん検診できる最新サービスをお試し!
コロナ禍で健康診断を受診する人が大きく減っている。外出すらままならないシニアに向けて新たに注目なのが自宅でできる健康診断だ。いま注目の新サービスを体当たり記者・氏家裕子がレポートする。
コロナ禍で検診受診者が減っている!
新型コロナウィルスの感染が不安で外出を控えるたけでなく、医療機関での検診も先送りにしてしまうというシニアの方も多いのではないだろうか。そんな中、自宅で人間ドック並みの健康診断ができるサービスに注目が集まっている。
若い頃は料理もロクにせず、カップラーメンにスナック菓子、コンビニご飯ばかりを食べ続け、寝る時間も起きる時間もバラバラ。運動も一切しないという生活を続けていたズボラ記者。
40代になった現在は、ほぼ毎日晩酌し、寝る直前までお菓子やしょっぱいおつまみをむさぼっている。大好物は麺類、揚げ物、激辛料理、コンビニスイーツ…。コロナ渦で気がつけば体重はなんと9キロも増量した。
そんな私が健康診断を受け始めたのは36歳。結婚して夫の会社の福利厚生で、年に1度お知らせが届き、安い値段で受けられるようになったため「一応やっとくか」と、人並みに受診するようになった。
しかし、昨年はコロナの影響で健診が延期に。最近また再開されたのだが、「面倒だからいいか!」と断念。「また来年受ければいいや。たった1年で健康状態なんて変わらないっしょ」と本気で思っていた。
そんな記者の生活を知って知らずか、担当編集者から「自宅でできる健康診断のプレスセミナーがあるんだけど、体験レポートしてみない?」とお声がかかった。
「それならできるかも!」と、体当たり記者の血が騒いだ。
ズボラ記者が“おうちでできる”健診を体験
体験したのは、ヘルスケア商品やサービスを展開するハルメク・ベンチャーズが手がける自宅でがん検診が受けられるキット『おうちでドッグ』。
セミナーに登壇したハルメク・ベンチャーズ代表取締役社長の松尾尚英さんによると、
「2017年11月に発売した『おうちでドッグ』が、コロナ禍のいま、自宅でできるということに注目が集まり、利用者が増加しています。
2020年4月~9月の利用者は前年の約2倍。検査実施数は2021年1月時点で累計7万件を突破したという実績もあります」(以下、松尾さん)
さらに、日本対がん協会が発表しているデータ※によると、従来のがん検診率は40~50%とそもそも低いうえに、今年度はコロナウィルスの影響によって例年の7割に減少。とくに、昨年の緊急事態宣言が発出された4、5月は例年の3~2割に落ち込んでいる。
「例年のがん発見率は受診者のうち0.14%。仮に、日本人の56%を占める40歳以上の人で、毎年検診を受けていて、今年だけ見送った場合、約1.4万人のがんの発見が遅れる可能性があるのです」と、松尾さんは語っている。
※日本対がん協会資料より
https://www.jcancer.jp/wp-content/uploads/TAIGAN-11_4c.pdf
まさに「1年くらいいっしょ!」とたかをくくっていた記者はドキリとした。1.4万人の中の1人になる可能性は十分ある。婦人科系のがんは、まさに40代以降から増加するというし、そういえば最近、ちょっと階段を上るだけでも息が上がるようになり、老いを痛感している。松尾さんの話を聞き、胸がざわついてきた。
今回のセミナーでは、世界で初めて線虫という嗅覚が優れた生物を使い“尿1滴”でがん検査を可能にした『N-NOSE』に健康サポートを付帯したオリジナルサービスも発表された。尿から15種類のがんリスクをチェックでき、健康相談や医師の紹介サービスもついているという。
また、自宅でできるシニア向けの認知症のリスクを検査する新サービスも登場。気になるおうちでできる3つの検診・検査サービスを紹介する。
【1】自宅で手軽にがんリスクをチェック:『おうちでドック』
『おうちでドック』は、採血と尿検査を自宅で行い、郵送するがん検診キット。病院と同等程度の検査を行うことができるんだとか。コロナの感染リスクが不安な人をはじめ、面倒くさい、時間がないなど、さまざまな理由をつけて人間ドックを後回しにしているズボラ記者にとってぴったりだ。
今回私が試した女性用の『おうちでドック がん女性用』(1万6500円)では、乳がん、子宮がん、大腸がん、食道がんのリスクがチェックできるもの。
ちなみに男性用(1万6500円)は、大腸がん、食道がん、前立腺がんのリスクをチェックできる。ほかにも、胃がん(1万1000円)や生活習慣病(9350円)のリスクがチェックできるキットもある。
『おうちでドック』購入者には、検査後のアフターフォローも万全。希望者は医師が電話で検査結果についての健康相談にのってくれる。
診断結果で病気のリスクが見つかった場合は、自分に合った病院や医師を紹介するサービスも受けられる。さらに、普段の健康について相談ができる看護師との健康相談チャットというメニューまである。これらすべてがキット費用に含まれており、無料で受けられるのだ。
早速体験!指先をプチッと挿して採血するだけ…
『おうちでドック がん女性用』には、検査キットや説明書、返信用封筒がコンパクトにまとめて入っている。説明書のQRコードを読み込めば、動画で手順を確認することもできる。
まずは中身をすべて出して透明の蓋の上に並べておくと、戸惑わないでスムーズに検査が行える。それではさっそく血液を採取!
生まれて初めて自分の指に針を挿すという行為に、「痛かったらどうしよう!」と、ドキドキ。利き手で使い捨て針を持ち、反対の手の中指に、思い切ってブスッと刺してみると、全然痛くなくて、逆にビックリ!
ぷくっと血が浮き出ててきた。指先から血液を採取するのってこんなに簡単なのかと、ささやかに感動した。
付属のスポイトで血を吸い取り、シリンダーに入れたら、むらなく赤くなるまでよく振って、専用器具を使って処理をして密閉キャップで蓋を閉じれば完了。あとは封筒に入れて専門機関に郵送するだけ。
検査申込用紙に必要事項を記載し、検査器具を返信用封筒に入れてポストにインして2週間返信を待つだけ…。しかも、採血検査で使った器具やごみもまとめて封筒に入れて郵送できるので、自宅にごみも残らない。
検査時間はたったの10分! 婦人科系の検査は痛みがあったり、恥ずかしかったりで、苦手意識があった記者もこれなら躊躇もなく毎年受けられそうだ。
【データ】
『おうちでドック がん(がんに特化してチェック)』(男性用・女性用)ともに1万6500円
『おうちでドック(がん、生活習慣病をまとめてチェック)』(男性用・女性用)ともに2万1780円
『胃がんリスクチェック』1万1000円
『生活習慣病 血液+尿検査』9350円
『生活習慣病 血液検査のみ』8250円
販売:ハルメク
https://dock.ouchide.biz/
【2】線虫が尿の臭いでがんをチェック:N-NOSE
『N-NOSE』は、線虫という嗅覚が優れた微生物が、がんの匂いに引き寄せられることを利用して、がんのリスクをチェックできるサービスだ。
「尿を取るだけなので、痛みもなく簡単にできて、15種類※ものがんをチェックができます」と松尾さん。ただし、がんの部位は特定できない。
※胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、卵巣がん、胆管がん、胆のうがん、膀胱がん、腎臓がん、口腔・咽頭がん。
今回発表されたのは、ハルメク通販サイトで特別に購入できる『N-NOSE健康サポートプラス』。検査結果が出たあとのアフターサービスを受けることができるのだ。
注意点は、郵送サービスは行っていないこと。『N-NOSE』は、現在は直接検査受付場に持ち込むことで対応している。
※検査受付場の情報は以下リンクを確認
【データ】
『N-NOSE 健康サポートプラス』
1万3750円
販売:ハルメク
https://dock.ouchide.biz/n-noselp01/
【3】今後は自宅で認知症のチェックも可能に!?
「自分の両親が認知症かもしれないと気づいた時から確定診断が出るまでの日数は、平均で15か月かかるといわれています」(松尾さん)
1年以上放置してしまうと、なんらかの病気が進行してしまう不安も。さらに、認知症の検査は、心理的な負担も大きく、検査を受けたくないと躊躇してしまう人も多いという。そんな背景から開発されたのが『おうちで認知機能チェック』だ。
これは、健康診断で行った一般血液検査の結果を、スマホのアプリに入力することで、認知症のリスクを提示。適切な受診をおすすめしてくれるというもの。
現在は、まだ個人向けには販売されておらず、明治安田生命保険の認知症保険の付帯サービスとして契約者全員に提供。今後は、生保、損保、自治体などに事業展開していく予定だ。
コロナ禍で外出が制限されるいま、こういった自宅に居ながらできる便利な検診サービスは、さらに広まっていくだろう。2週間後に郵送される検査結果をドキドキして待ちながら、今晩こそ晩酌をやめようと心に誓う記者なのだった。
取材・文/氏家裕子
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