簡単!基本のおせち|飾り切りのにんじん、しいたけで華やか”いり鶏”、レンジで”栗きんとん”|レシピ
市販のおせちもいいけれど、手作りのおせちはやっぱり格別。「準備が大変」「難しそう」「時間がない」なんて気負う必要なし。手軽に作れて味よし、見栄えよしの基本のおせちレシピをご紹介。
おせちに欠かせない定番料理が、まな板や火をほとんど使わず短時間で作れます。料理研究家で栄養士の堀江ひろ子さんとほりえさわこさん親子が教えてくれました。食べ飽きないよう、アレンジレシピも伝授。思っているよりずっと簡単。なのに本格的。いつまでも伝え続けたいお正月の味です。
※材料は記載のあるもの以外、すべて作りやすい分量です。電子レンジは600Wを使用しています。
電子レンジなど、便利な道具に頼って気軽に挑戦
毎年、家族総出で楽しみながらおせちを作るという堀江さん一家。手作りとなるとつい気構えてしまうが、道具を活用すれば意外に簡単とアドバイスする。
「金運アップの栗きんとん、五穀豊穣を願う田作りなど、おせちには、それぞれの料理に込められた願いがあります。年に一度のお正月、皆の幸せを願いながら手作りしてみましょう」(堀江ひろ子さん)
縁起のよい飾りで華やかさアップ!
●梅形にんじん
<作り方>
にんじんの太い部分を4~5枚8mm幅に輪切りにし、梅形に抜く。
中心から花びらのくぼみに向けて切り込みを入れ、各花びらの真ん中から切り込みに向かって傾斜を付けてそぐ。
小鍋に入れ、だし1/2カップ、砂糖、酒各小さじ2、塩少量を入れてやわらかくなるまで煮る。
●末広たけのこ
<作り方>
たけのこの水煮の穂先は、上1cmを残して下から3~4本切り込みを入れ、末広になるように広げて煮る。
●亀甲しいたけ
<作り方>
しいたけは、戻したあと2枚分のみ両端を細く切り落とし、縦半分に切る。それぞれ角を斜めに切り落とし、六角形(亀甲)に整えてから煮る。
●鶴うずら
<作り方>
うずらの卵をゆでて殻をむき、水気をきる。焼いた金ぐしで目、くちばし、羽根の焼き目をつけ、鶴に見立てる。
●松葉ぎんなん
<作り方>
ゆでて薄皮をむいたぎんなんに楊枝で穴を開け、松葉を差し入れる。松葉を1本だけ少し引き抜き、軽く折り曲げる。
●竹絹さや
<作り方>
絹さやの筋を取り、熱湯1カップに塩小さじ1/2、砂糖小さじ1、顆粒だし少量を加えてゆでる。斜めに2等分し、3枚を組み合わせて竹に見立てる。
いり鶏
野菜と鶏肉の旨みが凝縮された彩り豊かな一品。
<材料>
鶏もも肉…1枚
干ししいたけ…6枚
にんじん…小2本
ごぼう…1本
れんこん…小1節
たけのこの水煮…1/2本
こんにゃく…1枚
絹さや…8枚
ぎんなん…5~6個
うずらの卵…5個
サラダ油、砂糖、しょうゆ…各大さじ1
<A>
砂糖、しょうゆ、酒、みりん、水…各大さじ2
<B>
干ししいたけの戻し汁+水…1 1/2カップ
顆粒だし…小さじ1
※飾り用の具の調味料は上記参照。
<作り方>(飾り用以外)
【1】干ししいたけを水(分量外)で戻して軸を取り、そぎ切りにする。戻し汁はとっておく。
【2】鶏肉を一口大に切って鍋に入れ、<A>を加えて煮立たせ、約10分煮る。
【3】皮をむいたにんじん、ごぼう、れんこんを乱切りにし、れんこんは酢水(分量外)につける。たけのこの水煮は縦半分に切ってゆで、乱切りにする。こんにゃくは縦半分に切って手で一口大にちぎり、ゆでる。
【4】鍋にサラダ油を熱し、【1】と【3】を炒める。<B>を加えて2~3分煮立て、砂糖、しょうゆ、【2】の鶏肉の煮汁を加え、落としぶたをして中火で30分煮る。煮汁がほとんどなくなったら鶏肉を加え、煮立たせる。
【5】器に盛りつけ、飾り用の野菜を彩りよく飾る。
★ポイント
鶏肉は長時間煮込むと硬くなるため、先に別の鍋でサッと煮込むとやわらかくなる。しいたけの戻し汁と鶏肉の煮汁を加えて野菜を煮ることで、旨みの効いた味に仕上がる。
栗きんとん
ほどよい甘さで口どけなめらか!
<材料>
さつまいも…300g
栗の甘露煮…1瓶(約200g)
水…3/4カップ
<A>
砂糖…大さじ4
みりん…1/2カップ
塩…少量
<作り方>
【1】さつまいもは1cm幅の輪切りにした後、皮を厚めにむいて4等分し、水にさらして水気をきる。水とともに耐熱容器に入れてラップで落としぶたをし、さらにラップをかけて電子レンジで8分加熱後につぶす。
【2】【1】を汁ごとフードプロセッサー(またはミキサー)に入れ、<A>を加えてなめらかになるまで混ぜる。
【3】【2】を耐熱容器に入れ、栗の甘露煮のシロップを加えてヘラでよく混ぜる。栗も加えて混ぜ、ラップをかけずに電子レンジで5分加熱し、ひと混ぜしてさらに5~6分加熱する。ねっとりするまで冷ます。
★ポイント
フードプロセッサーがない場合、電子レンジで加熱したさつまいもの汁を少し捨て、汁ごとよくつぶしてから、裏ごし器で裏ごす。
●【アレンジ!】りんごきんとん
<作り方>
【1】りんご(紅玉)1個を皮ごと1.5㎝のさいの目切りにし、耐熱容器に入れて砂糖1/4カップと水1/4カップを加えて混ぜ、ラップをかけて電子レンジで約4分加熱する。
【2】右の栗きんとんの【1】を汁ごとフードプロセッサー(ミキサー)にかけ、砂糖1/2カップ、みりん1/4カップ、塩少量、【1】の煮汁を加えて混ぜる。
【3】耐熱容器に入れ、ラップをせずに電子レンジで6~7分加熱し、途中で一度混ぜる。【1】のりんごを加えて混ぜ合わせる。
ミニ伊達巻き
学業成就を祈る巻物料理甘さ控えめな大人の味。
<材料>
卵…3個
はんぺん…1/2枚(50~60g)
塩…ひとつまみ
砂糖…大さじ1 1/2
みりん…大さじ3
<作り方>
【1】オーブンシートを30cm四方に切り、四辺を2cm幅で2回ずつ折りたたむ。裏返して四辺を反対側にひと折りして紙の端を立て、四隅をホチキスでとめる。(裏返すのは、紙のすき間に卵液が入り込むのを防ぐため)
【2】すべての材料をフードプロセッサー(ミキサー)に入れ、なめらかになるまで混ぜる。
【3】オーブントースターのトレーに【1】の型を置き、【2】を流し入れて約10分焼く。
【4】【3】が熱いうちに表面を下にして巻きすにのせ、型から取り出す。手前から巻き、巻き終わりが下を向いた状態で冷ます。食べやすい大きさに切り分ける。
★ポイント
・四辺の土手を厚くすることで断面がきれいに仕上がる。出来上がりは18cm角になる。
・はんぺんは、手でちぎってから入れると早くなめらかになる。
・型をオーブントースターのトレーにのせ、卵液を流し込む。焦げないよう様子を見ながら焼く。
・最初のひと巻きにグッと力を入れるときれいに巻ける。「の」の字になるよう、巻き終わりを調整する。
田作り
甘辛のたれとパリパリ食感があとを引く旨さ!
<材料>
ごまめ(小)…25g
けしの実または白ごま…適量
<A>
砂糖…大さじ1
しょうゆ、みりん…各小さじ2
<作り方>
【1】キッチンペーパーを敷いた皿にごまめをドーナツ状に広げ、電子レンジで1分加熱し、ポキッと折れる状態まで乾燥させる。
【2】<A>を大きめの耐熱容器に入れてよく混ぜ、電子レンジで約1分加熱してとろみをつける。
【3】【2】に【1】を入れてよく絡め、オーブンシートの上に広げて粗熱を取る。熱いうちにけしの実または白ごまを振る。
★ポイント
・たれの煮詰め具合は、耐熱容器をゆっくり回すと内側に少し付着するくらいのとろみ加減が目安。
・たれは冷めると固まるため、手早くごまめと絡める。ごまめが折れないようにやさしく混ぜること。
●【アレンジ!】アーモンド田作り
<作り方>
【1】キッチンペーパーを敷いた皿にごまめ25gを広げ、電子レンジで1分加熱する。スライスアーモンド30gは耐熱容器に入れて1分加熱し、ひと混ぜしてさらに30秒加熱する。
【2】砂糖大さじ2、しょうゆ、みりん各小さじ4を大きめの耐熱容器に入れ、電子レンジで約2分加熱してとろみをつける。
【3】【2】にごまめ、アーモンドの順に加えて混ぜ、オーブンシートの上に広げて粗熱を取る。
→ポリ袋で作るおせち料理|黒豆、煮しめ、栗きんとん…とにかく簡単!洗い物が少ない!
教えてくれた人
料理研究家・栄養士 堀江ひろ子さん ほりえさわこさん
ひろ子さんの母の泰子さんから3代にわたり料理研究家として活躍。忙しくても簡単に作れる、主婦目線の本格家庭料理が人気。共著に『最新版 簡単おせちとごちそうレシピ』(主婦の友社)など。
撮影/菅井淳子 スタイリング/鈴石真紀子
※女性セブン2021年1月7・14日号
https://josei7.com/
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