寒い季節の健康法…感染予防に”温かい”格好をするのは正解?
例年なら、インフルエンザ対策を始める頃。コロナ禍の今年は、いつも以上に念入りな寒さ対策をする人も多い。厚手の下着にカイロ、マフラーもぐるぐる巻いて、歩くだけで汗が出るなんてことも…。実はそれって、逆効果かも!?
冬の防寒対策は逆効果!?
埼玉県に住む主婦の平井茜さん(48才・仮名)が言う。
「今年はマフラーやストールを使って、ふだん以上に重ね着して、防寒を心がけています。それに、エネルギー切れになるとウイルスに隙を与えてしまいそうなので、この時期だけは間食も解禁。しっかり栄養やエネルギーを摂って体力をつけています」
入念な対策を取っているように見えるが、金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学教授で医師の古家大祐(こやだいすけ)さんは「いずれも逆効果の可能性が高い」と語る。
厚着をしすぎると基礎代謝が上がりにくい
「汗をかくほどの厚着は、かえって体を冷やし、肌の乾燥にもつながります。首筋や肩回りまで過剰に保温し続けるのも問題です。なぜなら、基礎代謝を上げて熱を産出する『褐色脂肪細胞』は、寒さを感じないと活性化しにくいのです」(古家さん・以下同)
つまり、厚着しすぎて体が寒さを感じられないと、体温を上げるシステムが機能しにくくなるというわけだ。加えて問題なのは“間食を摂ること”。
空腹時間がないと長寿遺伝子が働かない…
「長寿遺伝子とも呼ばれる『サーチュイン遺伝子』は、アンチエイジングだけでなく、免疫力を上げる働きがあります。これは食事での摂取エネルギーを減らし、空腹時間を増やすと活性化することがわかっています。つまり、空腹を感じないように心がけるのは、せっかくの長寿遺伝子を眠らせてしまうことになるのです」
体にも「冬がやってきた」と知らせる程度の服装をし、しっかり空腹時間をつくることが感染予防にもつながりそうだ。
教えてくれた人
古家大祐(こやだいすけ)さん/金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学教授・医師
※女性セブン2020年12月3日号
https://josei7.com/