親の老後に不安あるものの「対策」している人は6.4%との調査報告
離れて暮らす親に久しぶりに会ったとき、「年をとったな」と感じたり、電話の声に元気がなかっりすると心配になる人は多いだろう。しかし、気にはなりながらも、様子を見に行く時間が作れなかったり、具体的に何をしたらいいのかわからず、結局そのままということも少なくない。
30~49歳の300人の男女への『親の老後に関するアンケート調査』(実施・東京電力エナジーパートナー)でも、親に対する気持ちと、自身の行動に関するギャップがあることが浮き彫りになった。
親の老後に「不安あり」は78.3%
今回の調査で親の老後に対して不安があるかについて、グラフ1の通り「不安がある」人は32.3%、「どちらかといえば不安がある」という人は46.0%おり、合計すると78.3%。何らかの不安を感じている人が多数を占める結果となった。
親の老後に対する不安がある一方で、その不安を払拭するための対策を講じているかについても調査。その結果、具体的に対策を行っていると回答した人は、わずか6.4%とわかった(グラフ2)。不安を感じてはいるが、行動に移している人は非常に少ないと見ていいだろう。
同社ではこの結果について「『自分の親はまだ大丈夫』と思っている人や、具体的な対策を講じようにも、どのような点に気をつけ、何をすればいいのかわからない人が多いからではないか」と分析。親の生活状況に応じて、どのような点に気を付ければいいのかを、今回の調査結果を踏まえ、有識者の意見を参考にチェックポイントとその対策を作成した。
親の変化を確認できる「10のチェック項目」を監修したのは、桜美林大学大学院老年学研究科教授で医学博士の渡辺修一郎氏と、シニアライフデザイン代表の堀内裕子氏。
親の変化を確認できる「10のチェック項目」
(1)週に1回以上外出しているか、今までより外出頻度が減っていないか
(2)最近5年くらいの出来事の話をして覚えているか
(3)今まで好きでしていた作業や趣味などを楽しんで続けられているか、声が小さくなっていないか
(4)起床時刻、就床時刻は以前と変わらないか
(5)この1年は転ばずに過ごせたか
(6)この半年に3kg以上体重が増減していないか
(7)食事中にむせたり、のどからゴロゴロと音が出ていないか
(8)食事の際にお茶や水を飲んでいるか、トイレの回数が少なくなっていたり、うとうとしたりしていないか
(9)夜トイレに何回起きるか、そのため寝不足になっていないか
(10)耳の聞こえ方、目の見え方が悪くなっていないか
上記の10項目のいずれかに変化が見られていた場合、認知症や何らかの病気が隠れていたり、栄養状態が悪くなっていたりする危険性を考える必要があるという。
この点について渡辺教授は「高齢期の心身の衰えを知るためには、一般の健康診断での症状や検査値のチェックだけでは不十分で、さまざまの生活機能の把握が重要となります。『10のチェック項目』を参考に、みなさんの大切な人の『今』を知りましょう」と、コメントしている。
堀内氏も、「親に不安はあっても『まだ大丈夫』という気持ちや、子どもさん自身が忙しいこともあり、対応が遅れることがよく見うけられます。体の変化や生活の変化をいち早く察知することで、認知症や閉じこもりのサインを見逃すことなく、予防やしかるべき対応につなげることが大切」という。
簡単に導入できる見守りサービスも
同社では、こうした見守り対策を遠隔地からでも可能とする「TEPCOスマートホーム 遠くても安心プラン」というサービスを提供している。
家電製品の利用状況から、離れて住んでいる家族の生活状況をスマートフォンで簡単に確認できるというもの。例えば、長時間エアコンを利用し続けているときに、水分補給を促すよう電話して「かくれ脱水」を予防するなどの対応につなげることができる。また、家電の利用状況がいつもと様子が違うと判断されたときは、メールでお知らせが届く。見守る人を最大5人まで登録できるので、複数人によるチェック体制を整えられる。
主要な家電の使用状況を確認することにより「ちょっとした変化に気づく」点が、従来の見守りサービスとの大きな違いだ。サービス導入には、分電盤に小さなエネルギーセンサーを取り付けることだけと簡単だ。
【データ】
TEPCOスマートホーム 遠くても安心プラン
https://www.service.tepco.co.jp/s/Anshin_Tooku/
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