もしかして認知症? 不安になったとき自己チェックする方法【まとめ】
2025年には、認知症の人が700万人になると言われている。人の名前が思い出せない、忘れ物が多くなった…など、もしかしたら、これは認知症の兆候かも!?と不安になっている人も多いかもしれない。
認知症を治すことはなかなか難しいが、MCI(軽度認知障害)は改善することが可能。まずは、気になる兆候を自己チェックしてみよう。
専門家の解説記事をまとめてみた。
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権威ある国際会議で発表された認知症の超初期段階兆候を指標とは
「もの忘れがひどくなったら認知症を疑え」と言われてきたが、「ひどくなる最初」はどんな言動なのか。認知症の“超初期段階”の兆候を示す新しい指標が、権威ある国際会議で発表されたのだ。
世界80か国以上の研究者らで構成される「国際アルツハイマー病協会会議」が認知症の“最初の兆候”を測る新指標は、日常の言動や情緒面の変化を表わした「軽度行動障害(MBI)」と呼ばれるものだ。その中には「食べ物を美味しく感じられない」や、「食事量の減少」も含まれている。MCI(軽度認知障害)に注目が集まる中、このMBIは認知機能以外の情緒面などの変化から認知症を捉える新しい物差しといえる。
認知症の超初期段階に見られる言動のチェックリストは、こちらの記事でチェック
→認知症最初の兆候を測る 権威ある国際会議が発表した「要注意行動」チェックリスト
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MCI(軽度認知障害)と診断されると半数が5年以内に認知症を発症
どんどん日本人の平均寿命は延び、誰もが認知症のリスクに直面するなか、その認知症予防の重要なカギを握るのが、「MCI(軽度認知障害)」だ。
「MCIとは、記憶力や注意力といった脳の認知機能が正常より低下しているが、認知症のレベルには至っていないグレーゾーンを指します。
私たちの脳内ではさまざまな部位が結びつき、多様な『脳内ネットワーク』を形成しています。ところがMCIになると、このネットワークの結びつきが弱くなり、認知機能の低下などの各症状をもたらすと考えられています」
と、認知症予防の第一人者で、日本認知症予防学会理事長の浦上克哉鳥取大学医学部教授は解説する。MCIと診断されると、12%の人が1年以内に、半数が5年以内に認知症を発症するという研究がある。
MCIとは、いわば認知症の「予備軍」なのだ。日本では65才以上の高齢者の4分の1がMCIで、計400万人いると推定されている。
どうしたらMCIを発見できるのか?MCIが疑われる症状は、こちらの記事でチェック
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「物忘れ」?「認知症」?事例で解説
中高年にとって物忘れは身近なもので、多くの人が自分の物忘れを“ひょっとして認知症かも”と不安に感じている。週刊ポスト読者から届いた体験事例をもとに、物忘れのケースを示し、それが何を意味するかを横浜新都市脳神経外科病院内科認知症診断センター部長の眞鍋雄太医師らが解説していく。
認知症が心配なケースとそうでないケース、事例での解説記事はこちらをチェック
→認知症と物忘れ「芸能人の名前が出てこない」はどっち?専門家が解説
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認知症の治療は早期発見がカギ!
「認知症治療は、ここ20年でかなり進歩しました。元の状態に戻すことはできませんが、進行を緩やかにすることはできます。早期発見が治療のカギになるので、“おかしい”と感じた瞬間を見逃さないで」
と話すのは、認知症専門医院『榎本内科クリニック』(東京・調布市)院長・榎本睦郎さん。では、早期発見にはどうしたらよいのだろうか。そのヒントは、日常会話の中にあるという。
異変を感じたとき、認知症かどうか見分けるチェックポイントはこちらの記事で
→【認知症】早期発見が大切 もしや…のときのチェックポイント
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認知症かどうかは、自己判断で決めつけず、医師の診断を受けることは何より大切。自己チェックで心配な人は早めに受診を。
初出:『女性セブン』『週刊ポスト』
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