兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし 【第6回 今年は何年ですか?】
若年性認知症の兄と2人暮らし中のライター・ツガエマナミコさんが、兄との日々を綴る連載エッセイ。兄の認知症が発覚した3年前にさかのぼり、当時の様子を振り返ります。「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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認知症テスト
大学病院、メンタルヘルス科の初診は、何時間も待たされ、苛立ちと腹ペコのピークにやっと順番が回ってきました。診察の主な内容は生活でどんな症状が見られ、どんな支障があるかといった問診と、認知症テスト、MRIなどの検査予約でした。
問診での兄の受け答えは「別に困ったことはありません。自分としては普通なんですけど」と、なにも異常を感じていない様子でした。わたくしが補足で、無断欠勤したことや会社の先輩から聞いた話、住宅ローン事件のことなどをすると兄は「え?そうなの?」という反応を示し、そのあとに行われた認知症テストは痛々しいものでした。
問いは、例えば「今は何年ですか」とか「ここは何地方ですか?」というあまりに簡単すぎて逆に戸惑うようなものから「100から7を順番に引いていってください」というわたくしでも難しいものまで、約10問ぐらいでしょうか。ほぼすべての答えに自信が