坂上忍も愛食!低カロリー、低塩、栄養豊富と水煮缶が大ブーム
「みそ煮、オイル漬け、水煮と缶詰には複数種類がある中で、最近は圧倒的に水煮が売れています。体感的には8割くらいかな。魚も肉もみんなそうです。ブームの到来を実感しています」
都内のあるスーパー店員はこう話す。今、水煮缶が売れに売れている。Amazonや楽天の缶詰ランキングでは、さばや鮭などの水煮缶がランキング上位を占めており、スーパーの缶詰売り場でも水煮缶が売り切れ続出なのだという。
『血管を強くする「水煮缶」健康生活』(アスコム刊)の監修者で、女子栄養大学栄養クリニック所長の田中明教授が語る。
「オイル漬けは高カロリーで、みそ煮は塩分が多い。一方、水煮は基本的には水で煮ているだけなので、カロリーも塩分も控えめ。ダイエットや健康食ブームの中、水煮缶が注目を集めるのは自然な流れでした」
8月28日、医療番組『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)に田中教授が出演し、健康食として水煮缶をおすすめすると、人気が爆発。冒頭の通り、全国的なブームに発展したのだという。
芸能界でも坂上忍(50才)が水煮缶好きを公言しており、お気に入りのさばの水煮缶を常備していると告白。辺見マリ(67才)はかつて、水煮缶を利用したダイエットで、1年間で17kgの減量に成功している。
田中教授によれば、水煮缶の優れた点は、前述の通り使われている食品を問わず低カロリー低塩分でありながら、極めて豊富な栄養素を含有していることだという。以下、田中教授が「最もおすすめ」という4つの水煮缶について、種類ごとにその効能を見ていく。
オメガ3が血管を健康に保つ、骨を強化、美肌にも「さば缶」
魚の缶詰の代表といえば、やはりさば缶。良質なたんぱく質に恵まれ、その高い栄養素から「青魚の王様」ともいわれるさばは、水煮にすることでさらなる健康食に生まれ変わっていた。
「さばには、オメガ3系と呼ばれる不飽和脂肪酸のEPAやDHAが多く含まれています。
これは中性脂肪や動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす働きがある。血液をサラサラにし、血管を健康に保つ効果もあるので、動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞など血管病の予防が期待できます。1缶の3分の1で1日分の必要量が摂取できるので手軽でいいですね。
ほかにも、骨を強化するビタミンDも豊富です。水煮缶だと骨ごと食べられる上、その水にも栄養素が溶け込んでいるので、体内に摂取しやすいんです。美肌に効果的なビタミンB2やビタミンEも豊富に含まれています」(田中教授)
アスタキサンチンが活性酸素を撃退!老化予防に「鮭缶」
鮭のピンク色の正体は、アスタキサンチンという色素物質。この特徴は、強力な抗酸化力を持っていること。
「最近は化粧品やサプリメントにも使われているくらいで、肌のシミを生み、体を老化させる『活性酸素』を撃退して免疫力や自然治癒力を高める働きがある。アンチエイジングや老化防止に極めて効果的なのです」(田中教授)
鮭は身近な食材で、さまざまに加工された商品が存在するが、やはり健康という面では水煮がベストだという。
「塩鮭や鮭フレーク、スモークサーモンも悪くはないのですが、どれも塩分を多く含んでいます。水煮缶はその点、鮭の栄養素だけを最も効率よく摂取できるのです」(田中教授)
リコピンが豊富、風邪の予防にも「トマト缶」
魚以外にも水煮缶はさまざまな種類があるが、中でもトマトの水煮缶がおすすめだ。
「トマトに豊富に含まれるリコピンもまた、活性酸素を減らす働きを持っており、美肌効果や老化防止が期待できます。臓器の炎症を抑える働きもあるので、風邪の予防にも役立つ。
水煮に使われるトマトはリコピンがより多く含まれている完熟トマトが多く、生で食べるよりも摂取しやすいというメリットがあります」(田中教授)
イソフラボンが更年期症状を緩和、サポニンが血栓対策に「大豆缶」
もう1つ、水煮缶で外せないのが大豆である。
「大豆に多く含まれるイソフラボンは、閉経期に減少する女性ホルモンの一種、『エストロゲン』を増やす働きを持っています。これにより、更年期障害の症状を緩和させる効果が期待できるのです。
また、大豆はサポニンも豊富に含んでおり、これは血液中のコレステロールを除去し、血栓ができにくくする作用がある。さば缶と同じく、血管を健康にする効果が期待できます。 サポニンは水に溶けやすい性質を持っているので、水煮缶で摂取するのが最適なのです」(田中教授)
※女性セブン2017年12月21日号
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