米ぬかがすごい!花粉症対策、抗がん作用や認知症予防にも
花粉といえば「春」というイメージが強いが、実は「秋」も花粉の季節である。ブタクサなど秋の花粉量がピークに達し、くしゃみや涙目で苦労する人も多い。のみ薬や注射などさまざまな療法はあれど、最も手軽な対策は食生活の改善だろう。
米ぬかを”食べる”ことが健康にいい
今、花粉症の症状を緩和する、と注目を集める食材がある。ぬか漬けの原料として日本人に古くから親しまれてきた『米ぬか』だ。玄米を使った食事療法を取り入れている島村トータル・ケア・クリニックの島村善行院長が語る。
「米ぬかに含まれる『γ(ガンマ)-オリザノール』には抗アレルギー作用があり、花粉によって引き起こされる炎症を抑える効果があります。食物繊維も豊富で、腸内環境を整えて免疫力を高めることもできるので、花粉症対策には極めて効果的な食材なんです」
そもそも米ぬかとは、玄米を精米する時に出る胚芽や種皮のこと。
精米後は廃棄される部分であり、これまでは掃除や食器洗いに使われたり、顔や体に塗る美容法が流行したりするなど、食用以外に使われることが大半だった。
だが近年、前述の花粉症対策を筆頭に「食べる」ことが健康にいいと話題を呼んでいる。
「米ぬかの成分は玄米と同じ。すでに玄米食はヘルシーな食事と認知されていますが、玄米は調理に手間がかかるうえ、硬くて食べにくい、おいしくないという声も多い。一方で米ぬかは粉末になっているため、調味料のように食品に振りかける、和えるなど、手軽に摂ることができる上に、継続しやすい」(島村院長)
抗がん作用、肝機能改善、中性脂肪の低下など驚きの効果が
米店で無料で分けてもらえたり、スーパーで安価で購入できたりと手に入りやすい米ぬか。
花粉症改善のほかにも驚きの健康効果がある。
「特筆すべきはがんへの影響です。米ぬかに含まれる『フィチン酸』には、抗がん作用があるのです」(島村院長)
さらに生活習慣病の予防や改善にも効果的だ。
「米ぬかに多く含まれる『イノシトール』はビタミンB群の栄養素の1つ。肝機能を高めたり、血液中の中性脂肪やコレステロール値を低下させたりする働きがあります。血圧安定効果のある成分『GABA(γ-アミノ酪酸)』も含まれているため、動脈硬化や高脂血症、高血圧の予防や改善も期待できます」(島村院長)
また、「イノシトール」が不足すると糖尿病を誘発するため、米ぬかから「イノシトール」を摂取することは、糖尿病予防にもつながる。加えて、認知症にも効果を発揮する。