認知症予防、抗がん、老化抑制の効果に期待が!「せり」を使った家庭料理
冬に旬を迎える「せり」は、セリ科の多年草で、水辺や湿地で自生する日本原産の代表的山野菜の1つ。奈良時代にはすでに食用とされていたことが『古事記』『万葉集』に記録されている。競り合うように葉が生えるその生態から「せり」の名がついたともいわれる。
胃腸を整える作用があり、春の七草の1つにも数えられる。栽培ものが通年流通する。β-カロテンを非常に多く含み、優れた抗酸化作用で抗がん、老化抑制などに効果が期待される。カリウム、鉄分を中心にミネラルも豊富で、認知症予防に有効な葉酸もたっぷり。元気な老後には欠かせない、早春のピカイチ野菜だ。家庭料理研究家の松田美智子さんが話す。
「春野菜は苦みやえぐみなど、アクの強いものが多いですね。ただ一概にアクといっても、本当に体に悪いシュウ酸や、サイカシンなどの天然毒と、抗酸化成分に分かれます。せりのアクは後者。シャキシャキとした歯触りが身上ですから、熱湯でさっとゆで、冷水にとって色止めする程度で充分です。また、油脂と組み合わせるとβ-カロテンの吸収率もアップ。ごま油とすごく合いますよ」
せりの選び方&準備
天然の根付きものを選ぶ。葉がみずみずしく緑色が鮮やかで、茎はあまり太くないほうが歯触りがよく日持ちする。保存する際は、水でぬらした新聞紙やキッチンペーパーで根元の部分を包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存を。すぐに使うなら、まとめて下ゆでしてからキッチンペーパーに包み、密閉袋などに入れて保存しておくと便利だ。
天然ものは栽培ものよりもややえぐみが強いが、それも旬のうまみ。下ゆでは、鍋に塩を加えたたっぷりの水を沸騰させ、根付きのまませりを入れてさっと10秒程度ゆでる。くれぐれもゆですぎないこと。ゆで上がったらすぐに氷水に放し、しばらく水にさらしておく。こうすると余分なアクが抜ける。しっかり水気を絞って下ごしらえ完了。
のりとごま油の和えもの
【1】せり2束は〈準備〉を参考に下ごしらえし、4cm長さに切り揃える。根があれば同様に4cm長さに切る。
【2】ボウルにごま油大さじ2、ゆずこしょう小さじ1/2、米酢大さじ1、しょうゆ大さじ1/2を混ぜ、ちぎった寿司のり(約19× 21cm)1枚分と、再度水気を絞った【1】を加える。のりとせりがよくからむように両手で混ぜる。
白和え
【1】せり2束は〈準備〉を参考に下ごしらえする。根と軸下を除き、3cm長さに切り揃える。
【2】絹ごし豆腐1/2丁はキッチンペーパーに包み、まな板をのせて30分置き水を切る。すり鉢に豆腐を入れ、練りごま大さじ3、三温糖大さじ1を加えてよくすりあわせる。
【3】【2】の味を見ながら薄口しょうゆ大さじ1を加え、再度、軽く水を切った【1】を加えて和える。
※女性セブン2017年2月23日号