倉田真由美さん「やめたくてもやめられないもの」くらたまね~&らいふVol.22
漫画家でエッセイストの倉田真由美さんは、ギックリ腰のような症状に悩まされ、体重増加も原因かとダイエットを決意。数年サボっていたプールを再開し、本気で痩せようとは思っているものの、なかなかやめられないものもあって――。
執筆・イラスト/倉田真由美さん
漫画家。2児の母。“くらたま”の愛称で多くのメディアでコメンテーターとしても活躍中。一橋大学卒業後『だめんず・うぉ~か~』で脚光を浴び、多くの雑誌やメディアで漫画やエッセイを手がける。夫の叶井俊太郎さん(享年56)の闘病から看取りまでを綴った書籍『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』も話題に。
「マイナス7キロ」の決意
やめたいなあと思いつつ、なかなかやめられないでいるものがあります。「甘活」です。
ここ数か月で3キロも太ってしまったこと、多少気にはしていましたが、「もう50代半ばだし、歳なんだから仕方がない」と開き直り気味でした。ボタン式のワンピースなど着にくくなった服などもありましたが、それを無理に着なくてもいいと発想だけは軽やかになっていたので、増えた体重は当然そのまま、減ることはありませんでした。
身体が重く歩くのがきついと感じても「歳のせい」と言い聞かせ、「なるべく体重計に乗らない」という逃げの対策で日々を過ごしていました。
しかし先日、ただ歩いているだけでギックリ腰になってしまったことで、ダイエットを決意せざるを得なくなりました。体重増加が直接原因とは限りませんが、まったく関係ないとは思えません。そして何より、私自身、いい加減身体の重さがつらくなってきたのです。特に寝て起きた時、座ってから立ち上がる時、少し長い距離を歩いている時、身体の悲鳴を無視し続けるのがそろそろ難しくなってきていました。
そこでダイエットをすることを決意し、目標も掲げました。マイナス7キロ。そして今、マイナス1キロは成功しました。
やめられないもの、やめられたもの
しかし、どうにも邪魔をするのが甘いものを美味しく食べる活動、「甘活」です。
特に妹と一緒にいる時、「この近くにケーキが美味しいって評判のカフェあるよ」「いいねえ。ちょっと寄ろうか」という会話の流れになかなか逆らえません。それほど甘いものを欲していない時ですら、「ちょっと味をみてみたい」という気持ちが湧いてきて、ついつい食べてしまいます。
ちょっとした中毒のようになっているとしたら、簡単にはやめられないかもしれません。でも私、昨年中毒だったとあるスマホゲームをやめられたんですよね。これは、私にとっては大きなニュースなんです。
初めてスマホを買って1、2年後、何気なく始めたパズルゲームで、電車の中などちょっとした隙間時間についやってしまっていました。課金はしていないのでライフがなくなったらしばらくできないし、「どうせちょっとの時間だから」と自分を甘やかしていました。ゲームの時間に本でも読んだ方がずっといいと思いつつも、気楽にやれるゲームから離れられず、気づけば10年以上、毎日欠かさず遊んでいました。捧げた時間がどれだけになるか、考えたくもありません。
やめてみれば、意外なほど未練はなくなりました。アプリのアイコンを見ても、もう「またやりたい」とは一切思いません。あれほどやめられなかったのに、不思議なものです(でもまだアンインストールはしていないのですが…)。
「甘活」も、やめてしまえば甘いものに誘惑されなくなるのでしょうか。成功したことがないので分かりませんが、そうなったら楽だなあと思います。
最近、大の酒好きで連日浴びるようにビールを飲んでいた女友だちが、健康のためとお酒をやめて1ヶ月が経ちました。
「前みたいに、『めちゃくちゃ飲みたい!』にはならないよ。たまに、喉が渇いた時にシュワシュワしたやつをちょっと飲みたくなるけどね」
毎日のように飲み歩いていた彼女と同じ人とは、とても思えない発言です。
私の甘いもの好きなんて遠く及ばないほどお酒が好きだった彼女が成功したんだから、きっと私もやめられる。スマホゲームだってやめられたんだし。
でも心のどこかで、「たまにならいいかな…」と思っている部分があるのも自覚しているので、完全に断つにはもう少し時間がかかりそうです。
