「昔の不養生」は体が覚えている? 69歳オバ記者が見舞われた「多忙と過信」のしっぺ返しと無理のない過ごし方
講演会に花火大会、撮影にお墓参り…と、秋の連休に現役バリバリのスケジュールをこなしてご満悦だったオバ記者ことライターの野原広子氏(69歳)。しかし、連休明けてすぐ、突如として激しい発作に襲われてしまう。69歳の身体は、過ぎ去った過去も無茶なスケジュールもしっかり記憶していた――。
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打ち合わせ中に急に…
久しぶりに来た! ほんと、やばい。ああ、ダメだ。心房細動の発作が出て、今すぐテーブルに突っ伏して眠りたい。心臓のあたりから首まで締め付けられて、ちゃんと息ができない。
「だから野原さん、当日はね」。目の前にいるのは9歳年上の私が「師匠」と呼ぶY先生で、この日はイベントの打ち合わせだったの。私はY先生が主催する会の司会を頼まれている。
「あ、すみません。ちょっとめまいがしちゃって」と断って頬杖をついたけれど、いや、もう、まいった。さっき発作を止める薬を飲んだけれどいっこうに良くならないのよ。それでもう一錠、口に放り込んで自分の心臓のご機嫌が直るのをおそるおそる待っている感じだ。
心房細動とは何かの拍子で心臓が震えだす病気で、かかりつけ医から「発作が出たら一刻も早く薬を飲んでください」と言われている。なのに旅先で発作が出たのに薬を持ってなくて、予定を早めて家に引き返したことがある。そうしている間にも心臓に負担をかけているのは身をもってわかるので、それからはいつも持ち歩いているんだわ。
69歳という年齢を忘れる多忙ぶり
それにしても、ここしばらく発作が出なかったの。それが急に襲いかかってきたからショックなんてもんじゃない。
思い当たることは、うーむ、あるな。大いにある。前はお酒を飲むと発作が出た。が、今は乾杯はノンアルコールビールで、様子をみて2杯目に本物のビールを飲む。思えばシルバーウィークの間、これを2回やった。
それだけじゃない。私にしては猛烈に忙しかったのよ。連休前に講演会があったかと思えば、久しぶりに雑誌のカラーページのモデルの撮影で早朝に家を出て茨城へ。その夜、茨城の境町で開催している大利根花火大会で3万発の空に咲く花に酔った。が、あいにくその夜は薄寒い雨で帰宅すると寒気がする。
こんな時は葛根湯で風邪になる前に“風邪菌”を叩くに限る。で、翌日はお彼岸の墓参りをしてから帰京して、ちょっと休んで夕方から麻布十番の友だちの家を訪ね、土砂降りの中、夜の都バスに乗って帰った。それだけじゃない。連休明けてすぐ群馬まで撮影に出かけたのよ。
こう並べると現役バリバリの活躍ぶりに見えるよね。現に体調は悪くなかったの。ん?ちょっと待て! 悪くなかったってほんとか? 葛根湯、3回のんでるじゃない!と、後から思い出したけれど、忙しい最中は69歳という年齢をすっかり忘れていた。
でも、私は忘れても私の体は年齢を忘れちゃくれないんだよね。私の場合、52歳までベビースモーカーだった。その過去を私は忘れているけれど身体はちゃんと記録して、今回みたいに油断した時に顔を出す。「ああ、ヤダヤダ、年はとりたくないねー」と昔、息を吐くように言っていたご近所のおばあさん、おじいさんに、今は全面共感だ。
癒やしは「未来を描き出す」赤ちゃん動画
そんなわけで秋の長雨の中、歌って踊ったあげく、心臓発作で大コケした私だけど、いいこともあったの。なんと親戚(36歳)が玉のようにかわいい男の子を産んだのよ。まだ顔を見に行けてないけれど送られてきた写真から目が離せないんだわ。
実は私、YouTubeでも何人か「おはよう」と言う赤ちゃんがいる。もちろん見ず知らずの両親から生まれた子だけど、寝返り一歩手前の動画に思わず胸が熱くなる。
YouTubeで政治のゴタゴタや犯罪のニュースを見ると「世も末だ」と思うけど、赤ちゃんの動画を見るとなぜか私の脳内は勝手に「明るい未来」を描き出すんだよね。
そういうことを言い出すのが年寄り? はいはい、なんとでも言って!
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。2021年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑で、やせたの?』を出版。実母の介護も経験している。
